ド・バルザックの「ド」は、
貴族を気取った自称であり、正に映画の主役の有り様だ。
フランスというよりパリ文化、思想の成形の歴史を垣間見たような展開は、日本の明治維新の様な喧騒であり、
復古王制時代などはとんと分からんが、
当時の建物や風俗などのロケーションに、
それらの撮影も見事な作品で楽しませてくれた。
19世紀前半。フランスでは恐怖政治が終焉を迎え、宮廷貴族たちが自由と享楽的な生活を謳歌していた。
詩人としての成功を夢見る田舎町の純朴な青年リュシアンは、貴族の人妻ルイーズとパリへ駆け落ちするが、
世間知らずで無作法な彼は社交界で笑いものにされてしまう。
生活のため新聞記者の仕事に就いた彼は、
金のために魂を売るマスメディア関係の同僚たちに影響されその寵児に成りがる。
そして、当初の目的を忘れて虚飾と快楽にまみれた世界から社交界へ、更に爵位を求め始める。
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