彼に別れを告げた日のこと

郵便受けに健康診断の結果が届いていた

別れた事で頭はいっぱいだったけど
嫌な予感が一瞬した


要精密検査の文字が目に飛び込む

あ、

別れて良かった 

そんな風に思った





別れる前に彼と約束していた事があった
既に揺れ揺れの私を見越した約束だったのか
健康診断の結果は絶対報告する様に約束を交わした




でもま、別れたんだし
伝える必要はない

夜に別れを告げたメッセージに彼から
連絡が届く


散々迷ってスルーした



夜中におやすみのメッセージがまた届く




約束
どーしよ
  



更に散々迷った真夜中に
健康診断の結果を告げた


夜中の2時過ぎ
彼から数分で返信が届いた
こんな時間に起きてたのか



写メして
数字見せて

チェリーはもう寝て
安心して大丈夫だから



別れたはずの気持ちが
彼を好きだと連呼している


今日のメッセージの事は一旦やめるよ?
今は検査の事ね
チェリーの体のことね
わかった?


私は頷く様に彼の言葉に従って
その日のやりとりを終わらせた


そしてすぐに検査予約をした
精密検査の結果で更に細胞検査を要する事になった



悪性腫瘍かもしれない


彼と別れる理由はここにあったんだ
もし悪性なら
病気の私を見せたくない
髪だって無くなるかもしれない

だからこの流れになったんだ

そんな考えが頭をループする


細胞検査結果まで一週間



彼はまた私に約束を提案してきた

検査結果が分かるまで
普通にやり取りするからな?
あの話は一回やめるからな!



私の心はだまって頷いた