この動画、面白かった。
特に『巫女と笹』の関係は興味深く、
民俗学者の柳田國男も『巫女考』のなかで巫女と笹の関係について言及している。
狂い笹
能では、
小道具に『狂い笹』というものがある。
笹を持って舞うことが『狂女』であることの証となるのだ。
かぐや姫と狂い笹
こちらは ↑
かぐや姫と『狂い笹』なり〜
かぐや姫が生まれた土地に帰って来る。
その手には笹が握られている。
これは男たちの言葉に狂い乱れ、屋敷を飛び出していったかぐや姫の心を表す。
能の中では『物狂い』を表わすものとして笹を持つ。
このような『狂い笹』は人物の放心状態を示すものであると同時に──
神を招く道具
笹は神聖な植物であり、
本来『神を招く道具だった』と柳田國男は指摘する。
湯立神事
たとえば、
笹の葉を振ってその雫を浴びる湯立神事。
かつて巫女はこの笹で体を打つことでトランス状態となり、神託を降していた。
そのため巫女のことを『ササハタキ』とも呼ぶ。
地鎮祭の笹
地鎮祭では四隅に『笹』あるいは竹を立てる。
なぜ笹や竹を立てるのか?
それは『神の舞い降りるための依り代』だからである。
『笹の葉サ〜ラサラ』でお馴染みの七夕の歌──
笹は風が吹いた時に独特の音を鳴らす。
あの何とも言えないサラサラという音が神を呼ぶのである。
笹──
能の狂い笹。
湯立神事の笹。
地鎮祭の竹と笹。
笹は『神を降ろすためのアイテム』ゆえ巫女とも関係が深いのだろう。
余談。
おそらく竹にも笹と同じ意味がある。
かぐや姫は竹から生まれた。
竹は筒。
この世と星(ツツ)の世界を繋ぐもの。
あ。そう言えば──
会津磐梯山は宝の山よ〜笹に黄金がえ〜またなりさがる〜♪って歌、あるよね。
あれも何だか意味深だ。
なんで『笹』なんだろ?
そう思ってたら面白い記事を発見!
福島民謡『会津磐梯山』では
唄の合間に『スッチョイ、スッチョイ、スッチョイナ』とお囃子が入る。
この囃子詞をヘブライ語で読み解くと『神を讃える言葉』が浮かび上がって来る。
ヘブライ語で『喜ぶ』を意味する言葉はשש(sas、ササ)
もしくはשוש(sus、スッス) 。
その『スッス』に『前進!』とか『いざ進め!』を意味するצועד(tsoed、チョエ) という言葉が組み合わさると『スッスチョエ』という言葉になるそうな。
これがおそらく『スッチョイ』へと転化したのだろうと。
その意味は『喜び勇んで進め!』──
にしても『ササ』にはヘブライ語で『喜ぶ』という意味があるとは驚き。
ご参考までに。