この記事は 2022年に私が体験した事を「回想」として綴ったものです...
富士山最古の登拝道「村山道」は、春夏秋冬 様々な姿を見せてくれます。ふじ爺は これまで何度も歩いていますので、これまでのベストショットを織り込みながら綴っていきます。  

7月30日...7月29日 PM17:34に 海抜0mの田子の浦 鈴川海岸をスタートして、「村山古道と宝永山遊歩道分岐点」で、約23時間50分が経過しました。
これから、富士宮口 新六合目(村山口 旧四合目)へと歩を進めます。
↑PM17:35..10分の仮眠を終え、村山口 旧四合目(現 富士宮口 新六合目)へと歩を進めます。
「ウラハグサ」(裏葉草  別名..風知草 フウチソウ)が茂る村山古道を登って行きます。

PM17:37..海抜2388m、ここは「村山口 旧三合目石室跡」です。綺麗に石組が残っています。
寛文7年、伊勢飯野郡大宮田先達 4人が再建したそうです。
PM17:38..下生えのウラハグサ(裏葉草)とダケカンバ(岳樺)の植生に変わって来ました。美しい森です♪
PM17:40..ウラハグサとコケモモ(苔桃)の中に「ミヤマフタバラン」(深山二葉蘭 ラン科サカネラン属)が咲いています♪
特徴は 2枚の葉が茎に対生状につき、葉柄はありません。標高2400m辺りで育ち、コケモモの群落内に顔を出します。背丈は10cmくらいです。
静岡・山梨では絶滅危惧種に指定されていませんが、長野県などは絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。
森林限界辺りで咲きますから、なかなかお目にかかる事が難しい、小さな野生ランです。
PM17:45..海抜2418m、「コケモモ」(苔桃)の群生地となって来ました。そして、頭上は...
↑コケモモ群生地の頭上は「ミヤマハンノキ」(深山榛の木)地帯です。
PM17:47..海抜2428m 砂礫地帯での「ミヤマオトコヨモギ」(深山男蓬)
↑こちらは「コタヌキラン」(小狸蘭)
花穂が狸のシッポに見える事から付いた名前で、蘭の名が付きますが、ラン科でなく「カヤツリグサ科」です。
PM17:48..溶岩塊の上に「イワカガミ」(岩鏡)が根付いています。花期は終わり 蒴果となっています。
こちらは「ミヤマヤナギ」(深山柳)白い綿毛は 蒴果です。
PM17:50..海抜2390m、カラマツ帯の奥に 富士宮口 新六合目の雲海荘と宝永山荘が見えて来ました。
↑【参考写真 2020年2月23日撮影】「富士山の日」に、上の写真とほぼ同じ場所で撮影した冬の富士山です。
↑振り返ると下界の雲海が素晴らしいです♪ 愛鷹連峰は雲海の中ですね。
PM18:01..右手に宝永山が見えて来ました。
PM18:02..地を這う形をした「カラマツ」(唐松)の森林限界を抜けると、村山口 旧四合目 (現 富士宮口 新六合目)は目の前です。
PM18:05..村山古道 最終地点です。村山古道から富士宮口登山道に合流します。
この場所に立つと、還暦を迎えた年の事を思い出します。下の写真をご覧下さい..
↑【参考写真 2019年7月11日撮影】この写真は PM21:22に撮影したものです。
還暦を迎えた この年もソロで、海抜0mの田子の浦から「富士山峯入り」をしたわけですが、海抜1900m辺りの大倒木地帯から土砂降りに見舞われ、日沢横渡で日が暮れて、真っ暗な村山古道を登って来ました。
雲海荘さんの照明灯を見た時は 物凄く安堵した事が思い出されます。
PM18:06..本日の宿、富士宮口 新六合目「雲海荘」に到着しました。(海抜2493m)
海抜2255mで水が無くなり、水分補給が絶たれていたので、直ぐに550mlの水を2本買い、一気に1本を飲み干しました。
まずは初日、無事に24時間32分、37.9kmを歩き通す事が出来ました。しかし困った事に、17~15kgの重いザックを背負っていたため、ヒップベルトが腰に擦れて、両腰に大きなマメが出来てしまい、大きく皮むけしてしまいました。大判タイプの絆創膏を貼りましたが、ザックを背負うと痛みが走りますが耐えるしかありません..これも、あらゆる苦しみに耐える修行です。(地獄道克服の行)

村山口登山道が栄えていた頃は この新六合目は「村山口 四合目石室」でした。江戸時代 寛文3年、京都四条通中町の先達 中川猶右衛門などが、各処再建したものでした。
PM18:27..富士宮口 新六合目 雲海荘からの「影富士」を堪能します。日の入りは PM18:51です。
PM18:40..雲海荘さんでは スパイシーなカレーライスが夕食ですが、山菜ラーメンに替えて頂きました。

食後に 翌日のミネラルウォーターを買おうとしたところ、店内と自動販売機も完売しており購入を断念..
新型コロナ オミクロン株の感染拡大もあり、登山者も例年より少なく、ミネラルウォーターの供給も少なめにされているのと、連日の暑さで購入者が多い事が重なり品薄状態でした。
先程 購入したミネラルウォーターが 300ml程 残っているので、覚悟を決め、その僅かな水で翌日 登拝します。
PM19:00..雲海荘二階の宿泊部屋です。
通常は2人部屋ですが、繁忙期は3人部屋になる時があります。空いている時は1人部屋になります。

前日のAM7:00に起床し、途中 海抜2377mの宝永山遊歩道で10分の仮眠をしたのみで、あとは一睡もしていませんから 36時間起きっぱなしです。
明日(7月31日)はAM3:00起きですから、着替えと荷物の整理をした後、早めに就寝します。
青色の線が 田子の浦 鈴川海岸からスタートして「村山口 旧四合目(現 富士宮口 新六合目)」までのルートです。
次は 翌日の7月31日に日付が変わり、「富士山頂」へ歩を進めます。

つづく...