この記事は 2022年に私が体験した事を「回想」として綴ったものです...
富士山最古の登拝道「村山道」は、春夏秋冬 様々な姿を見せてくれます。ふじ爺は これまで何度も歩いていますので、これまでのベストショットを織り込みながら綴っていきます。

7月29日...PM17:34に 海抜0mの田子の浦 鈴川海岸をスタートして、約2時間30分が経過しました。
旧東海道を歩き、新吉原宿の吉原天神社までやって来ました。
↑PM19:54..田子の浦 鈴川海岸から約5.5km 歩いて来ました。この場所は海抜5mです。
東木戸跡から新吉原宿に入り、吉原天神社に参拝します。吉原天神社の扁額、立派ですね♪
↑吉原天神社 拝殿の向拝の蟇股には 梅と松に雄雌のキジの彫刻..夜は一段と華やかです♪
↑【参考写真 2022年4月1日撮影】桜の吉原天神社。
菅原道真公は幼少の頃から梅を愛され、天神さまは梅の印象が強いですが、写真の様に満開のソメイヨシノも素敵ですね。
そして、なぜ天神さまのお使いとして牛が選ばれたのか?..
それは菅原道真公が 丑年生まれであったことが関係しています。菅原道真公は 承和12年 (845年 )に誕生し、この年は乙丑の年でした。

そして、菅原道真公のもう一つの神号は「日本太政威徳天」で、密教の大威徳明王 (ダイイトクミョウオウ) に由来しており、大威徳明王は「六面六臂六足」で炎を背負い、水牛にまたがったお姿をしています。この水牛もまた臥牛 (がぎゅう) の姿なんです。
↑【参考写真 2023年4月1日撮影】
吉原天神社、斜め向かい側にある立体駐車場の屋上からの景色です。
↑PM20:08..吉原天神社から約10分歩くと 日吉浅間神社 (海抜18m) です。
既に夜なので神様はお休み中かもしれませんが、参拝させて頂きます。
日吉浅間神社は 神仏分離までは富士山東泉院の修験僧に管理されていたと考えられています。
↑日吉浅間神社 拝殿の向拝を 様々な彫刻が飾っています。
木鼻に獅子頭、頭貫と持送りに牡丹と千鳥、手挟には鳳凰と麒麟。とくに蟇股は見ごたえがあり、龍に乗って琴をひく赫夜姫(かぐやひめ・東泉院系は祭神を赫夜姫として祀っています)が、透かし彫りとなっています♪
4年前に 宮司の六所さんからお話を伺ったところ、当初 彩飾の彫刻だったそうです。龍の頭を観ると分かりますが、若干まだ色が残っています。
改修などはせずに「自然のまま」を大切にされておられます。
また、毎朝 広い境内をお掃除されておられ、参拝させて頂く度に心が洗われる想いです。

日吉浅間神社に隣接する子安地蔵尊には「富士山から流れて来た」と伝えられているお地蔵さまがあり、子授けに霊験あらたかと言われています。
↑PM20:20..富士山東泉院跡地 (寺号/興法寺) 
富士山東泉院は 今川氏のあつい庇護により、草創当時は 村山系の本山派修験だったと考えられ、一説には村山の富士山興法寺の一つだったといわれています。
実際、今川義元時代は村山三坊のひとつ「大鏡坊」の縁者が院主を務めるなど、村山と深い繋がりがありました。
↑富士山東泉院跡の大銀杏。
夜だと分かりづらいですが、龍が天に昇るような樹形です。
↑【参考写真 2020年11月29日撮影】
晩秋近くなると、富士山東泉院跡の大イチョウ (銀杏) は写真の様に素晴らしい黄葉となります。
↑【参考写真 2023年4月1日撮影】
富士山東泉院・日吉浅間神社参道のソメイヨシノ。
↑【参考写真 2023年4月1日撮影】
富士山東泉院・日吉浅間神社参道の「御衣黄桜」 (ギョイコウザクラ)
開花したばかりの花は 淡い緑色。徐々に黄色に変化していき、やがて花びらの中心部が赤く染まっていく八重桜です。
↑【参考写真 2023年4月1日撮影】
富士山東泉院・日吉浅間神社参道の「関山桜」 (カンザンザクラ) 濃いピンク色の大輪の八重桜です。

↑【参考写真 2022年4月1日撮影】
日吉浅間神社から吉原商店街に向かう途中に、国の登録有形文化財「旧順天堂田中歯科医院」があります。
蒲原にあった明治の洋館を、大正時代に吉原へ移築したそうです。
↑PM20:44..吉原商店街の鯛屋旅館。
鯛屋旅館の創業は 天和2年(1682年)より330年以上もの間、当時の場所で営業しているそうです。
また幕末から明治維新にかけて、全国に名を轟かせた世紀の大親分と云われた「清水の次郎長」、幕末の偉人の一人である「山岡鉄舟」の常宿としても知られています。
↑PM20:47..旧東海道筋に「吉原山 妙祥寺」の日蓮宗 題目塔があります。
↑PM20:54..新吉原宿 西木戸跡です。
東木戸跡から、この西木戸跡までが新吉原宿です。
ここは海抜9mで、田子の浦 鈴川海岸から約7.3km歩いて来ました。
青色の線が 田子の浦 鈴川海岸からスタートして、これまでのルートです。
これから、いよいよ「村山道」を歩き、富士山に向かって北上して行きます。

つづく...