さてさて。今年で最後のM―1感想です。感想は箇条書きで。あと、分かりやすいように点数付けました。「何様!?」とオカマの双子ばりに叱られるかもしれませんが、ご了承下さい。
今年から左下にワイプが抜かれるようになりましたが、もっと早くこれに気付けよ!と思いました。
敗者復活
外国人の自虐は反則だと思います。
審査員がコント師あるいはコント漫才師ばっかりやないか!これは今の若手芸人に合わした結果か。
●カナリア
・まじで水嶋ヒロに似てるな・・・!
・僕、関係ないんですけどミュージカルって苦手なんです。ブロードウェイとかはいいですよ。でも日本って言霊ってあるじゃないですか。それが言葉・セリフを歌にしてしまうことによって消えてしまっているような気がするんです。台詞の節や単語に纏わりつく言霊がミュージカルには感じられない。
それで、話戻すんですけど漫才において歌ネタってどうなんですか。いや、ネタによっては面白いと思いますよ?
でも本来、漫才にあるべき言葉と言葉の橋、ブリッジっていうのが歌ネタでは消えてしまうと思いませんか。だからM―1では評価されないんですよね。残念ながら。
・ファイティングポーズやレンコンアレルギーなどのワード力はあったな、と思います。が、ボンに歌が移ってしまう背景や、水嶋似が楽しくなっていくキッカケが見えなかった。後半に向かうまでの盛り上がりも弱かったし、マジで歌上手いな!としか思えません。
・水嶋似のイケメンが自虐するネタを見たことがあるんですが、僕的にはそっちの方がコンビとしての味があって好きでした。
・83点です。
●ジャルジャル
・最初、やけに目を見ないでやってるな・・・と思ったけどそういうことか!
・楽屋で練習を沢山やっているから何をボケるかわかっている、っていうのは新しい。ただ、そっからどういう風に広げていくか、ですよね。
・そこで彼らは擬音ツッコミという展開を見せた。でも考えてみてください。歌ネタと同じで擬音ボケ・ツッコミというのは果たして「漫才」として見たときに有効なアイディアでしょうか。チュートの「チャリンチャリン」とかはいいですよ。別に。
・視聴者・鑑賞者という者は基本的に、自分の手元にオダギリジョーばりに「次になにが起こり得るだろうか」という選択肢のカードを持ちながら見ていると思うんですよ。少なからず僕はそうですね。その選択肢カードの内か外かで、笑いが起きるんだと思うんですよ。だから人によってカードの内容・枚数が違うから、笑いのツボが違う。
で、ジャルジャルのお笑いというか表現物というのは、僕の考えているカードの内容より下に行ってしまうんですよ。だからジャルジャルのネタは笑えない。
・個人的には「ボケを知っているから、知らないふりをしてしまう漫才」「何をボケるかわかっているから、ぎこちなくなってしまう漫才」「擬音がピタゴラスイッチ的に絡み合う漫才」が見たかった。キングオブコントのときも思ったんですけど、発想はいいと思うんです。でもそっから、僕が思っている選択肢と真反対に行っちゃうんですよね。これは仕方がないのでしょうか。
・発想力込みで86点。あとジャルジャルのネタを見るたびに思いますが「シュール」と「つまらない」は隣同士。これは僕も肝に銘じとかなきゃ。
●スリムクラブ
・いやー、これは卑怯ですよ。
・渡部陽一が売れた理由と同じじゃないですか。
・「間」の妙。これに尽きるでしょう。これまでのM―1は間があってもカットボール程度でした。しかし、これはスローカーブ。元オリの星野みたいなものですよ。
ね、あの人130km以下のストレートで打者抑えるんですから。それこそ超遅速カーブがあってこそ。
・中山功太がR-1優勝したときも言いましたが、ある程度のワクワク感を演出出来たら後は何を言っても面白いんですよ。でも、今回はその「何を言っても」が飛びぬけて面白いワードでした。「一番強いのは放射能」「一番弱いのはうずら」
その癖になるようなワードが緩一辺倒の中でも、緩急を作っている。かなり秀逸でした。前が前だったので。
・でも、物珍しさだけで高得点をつけるのはどうなのかなって思いました。確かに面白かったですけど。M―1は「新しいコンテンツ」を作る媒体っていうのは分かりますけど、うーん。どうなのかなって思いました。
・90点。素晴らしかったです。
●銀シャリ
・うーん、歌ネタ。
・いや、本当にツッコミワードは面白いなって思いました。「ロケット鉛筆」とか「下唇がずるむける」とか。ただ、ボケのパワーが弱い。あと、一つ気になるのが漫才の流れを切るような言動ってのはどこからの流行り?昔から?「自分で思い出したい!」っていうやつ。山崎ホウセイを思い出すんだよね。あの、いがりっていうのが僕はどうも苦手で。
演劇の話になりますけど、即興やってて「拒絶」って基本的に嫌われるじゃないですか。あんな感じ。
・良くも悪くも正月向きの漫才かなって思います。すくなくともM―1っていうコンテンツには合わない。M―1は「4分間の芸術品」っていう考え方が一般的なので。
オチは好きですよ。ただ、そこに行きつくまでの完成度・追いこみが足らない。
・85点。
●ナイツ
・これも正月向け、というか爆笑問題と一緒にやってもおかしくないですよね。
・僕はブラックネタだとかそういう類の笑いが好きなので、結構満足した方ですけど
一本のストーリーで出来あがってるような漫才ではないのでね。
後は、淡々とやるような漫才なので、その辺で好き嫌いは出るかもしれません。
・いやー、本当に正月に布団に入りながらゆっくりと見たい。
・海老蔵ネタっていうか麻央ネタでしたね。ただ、海老蔵いじりで言えば敗者復活のダブルネームの方が秀逸。
・86点。
●笑い飯
・本当に味をしめてるなぁww
・元祖“手数”漫才として、それに沿った技術を持ってるなぁと再認識。
・やはり、ワードやシチュエーション作りに長けてますよ。個人的に好きなのは剥製のシーン。
・つなぎ目シリーズも好き。♪嘲笑の的~。
・一度盛り上がったものがオチですっと落ちる。良いときの笑い飯ってこれが出来てるから面白いんですよね。とにかく笑い飯って玉手箱みたいなものなんですよ。色々なものが出てくる。打ちゃあ当たるとも言いますが。
・去年も書きましたが、M―1において次の日に真似をしたくなるようなネタを作った人が勝つし、面白いんですよ。つまりはそういうことです。
・91点。ビキビキビッキーズwwwwwなついwwwww
●ハライチ
・笹かまのくだりは別のネタで知っていたけど、一番の見せ場だと言っていいだろう。
・ただ、その他なんだよね。だから、ひねり多めでストレートを出来るだけ少なくするべき。ぬか漬けのケーキの三段オチとか笹かまを大事にしながら、どう他のワードを遠回しに言えるかっていうことがハライチ流手数漫才の生きる道だと思う。
・86点。
●ピース
・綾ちゃんかっこいい
・うーん、惜しいなぁ。彼らのことをコント職人だと見てますが、漫才もこだわりを持っていけばそれなりに面白いネタになるのでは。素材はとても良かったです。
・又吉はすごいな。
・「吸う」「なめる」「震える」「速く」いや、多いですよ。半分でいいと思います。それが後半に行くにつれ、複雑に絡み合いオチまで持っていければ十分に決勝レベルのネタだったでしょう。そうですね、トータルテンボスやブラックマヨネーズのような構成でしょうか。
・まぁ彼らは多分どー考えてもコント畑の人間でしょうから、来年のKOCに期待と言うことで。
・85点。
●パンクブーブー
・まぁ敗者復活でぶっちぎりにネタの作りが良かったので。
・“言葉のマジック”ですよね。銀シャリのところで「拒絶」は良くないと書きましたが、こういう「拒絶」は面白いと思います。ツッコミじゃなくて進行になってるところもネタ構成において大事な部分でしょうか。
・日本語遊びが洗練されてるんじゃないですかね。去年のパンクブーブーのネタもそうですけど「あったまきた」を「あったまってきた」と言ってみたり
かなり、僕好みのネタです。英語だと最初に言いたいことくるので先にわかっちゃいますからね。
・このネタって、選択肢のカードを外しまくるっていう面白みがありますよね。
・90点。
最終決戦。タイプが違う三組が来たなーという感じです。
1:スリムクラブ
・民主党は本気で反則だと思います。
間の長さが我々が描いてる長さより長いから、それでもう笑ってしまいますよね。
一つのワードの圧倒的な破壊力。過去のファイナリストで「押し」から「引き」に行くコンビはいました。そもそも漫才のオチがそれが基本ですからね。
ただ「引き」から「押し」はなかなか見ませんね。
・そもそもM―1は新しいコンテンツを提供していく媒体なのです。コント漫才、手数漫才、それでこの漫才ですか?流行らないでしょうし、流行ったらいけないと思いますww
2:笑い飯
・勉強してもらえ!でかなり笑いました
・やっぱオチが弱いですよね。織田裕二の「お金がない」がどれ程までの認知度かわかりませんけど、こういうタイプのボケは中盤なのかなーって思います。
・結局えべっさんの裏切りは上手かったです。
3:パンクブーブー
・過去数年間、最終決戦まで来る人は一本目のネタの構成に合わせたネタを二本目として披露することが多いし、それがM―1で優勝する秘訣でもあります。
それなのに、リーダーの「ちょっと毛色を変えてほしかった」はちょっと違うんじゃないでしょうか。僕は別にパンクブーブー信者でもないですけど、同じ構成のネタが悪いみたいな風潮なんなの?
・いや、単純に食傷ぎみってのはわかりますよ。ネタが薄いですよね。
一本目が本作だったら二本目はプロトタイプみたいなもんだと思いますよ。
だから作りも粗いし、受けも悪い。
・あと最初から決勝にいたら、また話は違ってきたのかな。どちらにせよ、相手が悪かったですよ。スローカーブとナックルみたいなのに、チェンジアップが変化量で勝てませんて。
優勝者はうちの家庭でも割れました。笑い飯が少し劣勢かなと思いましたけど、かと言ってスリムクラブの面白さはまた次元が違う気がする。
結果は笑い飯。良かったんじゃないですか。やっぱりこの数年、ずっと待ちわびてましたからね。
これでM―1は終わりですが、なんか新しいイベントを画策中のよう。
出来れば、また賞レースがいいですね。こうやって感想が書けるような。
最後にトータルテンボスのM―1に対する疑問点。
http://www.youtube.com/watch?v=JfZQq54jx2o
僕はピース好きだけど、やっぱりなんか違うわな。