遅れても書きます。



今回、見るテーマは「キャラクターの押し売り」です。R-1のときにも言ったのですが(その時の記事を参照)、僕は非常にキャラクターの押し売りを気にします。要は「このキャラ、面白いでしょ?」っていう背景が見えてしまうのが嫌いなのです。

そういう話を交えながら感想。順はバラバラ。


●TKO

1:「お葬式(お焼香)の仕方がわからない」ネタはよくあるネタです。スーツのくだりはまぁいいのですが、お焼香の際の「チーン」のときに何故、彼は(木下)あんなにも嬉しそうに叩いているのでしょうか。その前まで「お焼香が良く分かってない人役」をやっていたはず。それなら、この時点でも演じているべきですよね?

結局、鈴も出てこないし。「こういう嫌なキャラいたらいいよね」で話を進めている感があって、ボケとストーリーとキャラクターがポイント、ポイントでしか絡み合ってない。


2:モロゾフ後藤。やっぱり僕には「キャラクターの押し売り」にしか見えないのです。キャラクターありきで話が進んでいて、ストーリーがキャラを包んでいるのではなく、キャラがストーリーを包んでしまっている。色々考えてみたところ、関西圏の芸人にこの傾向が顕著に表れているのかなって思います(なだぎ、友近、バッファロー吾郎、モンスターエンジン、ジャルジャルなど)。正直、絶対にネタを作る際にこの手法を用いることは悪いことではないんです。

むしろ、良く使われる手法であると思います(たぶん僕もやっているだろうし)。

でも僕が思うのは「このキャラ面白いでしょ?だから、このネタも面白いですよ」というのはなんか違う気がするのです。

このネタ、オチが良ければもっといい点数行ったんじゃないでしょうか。結構ウケてたみたいだし。


●ロッチ

1、2:うーん。去年の一本目の感動はなんだったんだろうな。「師匠しか出来ないことを弟子ができちゃう」ってのもありがちだし、結局その内容もアナログタイプの域から出ていない感じ。二本目も「やろー」押しがイマイチ乗れないし、内容も至って普通。そりゃ点数低くて当然かなって思います。

でも、ロッチは「こんなキャラいたら面白いでしょ?」っていうタイプより「こんなシチュあったら面白いでしょ?」というタイプなので、その面では好感が持てます。

あとコカド氏の声の伸びの無さが凄く気になりました。悪い意味で。


●ジャルジャル

1:「シュッ」っていうのだけ気に入りました。ただ、擬音同士がもっと組み合わさってピタゴラスイッチ的になれば、もっと面白くなるのにと思いました(乾杯しようとグラスを出したら「シュッ」とかわされるとか)。


2:これは賛否両論ですね。ポイントは後半の畳みかけと困ったようなツッコミ?だと思いますが、いかんせん前半が長過ぎたため、後半が良くても見向きもされないですね。

「やりたいことはわかるけど・・・」って感じです。まぁ、僕もどっちかっていうと否の方ですが。

あと去年も思ったんですが「シュール」と「面白くない」は結構近い存在です。


●ラバーガール

1:昔、エンタによく出てましたね。まぁ嫌いなジャンルのコントでしたが。

でも、そのときのイメージは「コミュニケーションで笑わせる」でしたが、今回の一本目はどっちかっていうと

ピーピー鳴るスリッパやメダルやネコ四駆のような「飛び道具」の方が面白いな、と思いました。


2:ボケのポイントが抑えられないまま、ネタが終わってしまった感じでした。巨人について聞くところは面白かったですけどね。この人たちはもっとコミュニケーションで笑わせ、そして「飛び道具」でトドメをさせる、色んな事が出来るんじゃ?と思いました。


●エレキコミック

1,2:お、おふっ・・・。僕はオンバト世代なのでエレキコミックのこの状況はなんとも言えない感じw

某所で見た記事なんですが「ライブっていうのは好きなファンしか来ないわけで、つまりエレキコミックはオンバト全盛期だった00年前後でお笑いの傾向が止まってるのでは?」というのを見てネタを見直したら、まさにそんな感じでした。


●しずる

1:去年で「青春コントで敬遠してたけど、しずるって結構いい芸人なのでは?」と評価したわけですが

今年も感心しました。すごく緩急があって「ここがポイント!」っていうのを分かっている。

途中から「シナリオ」が普通の台詞の中にも組み込まれているような細かいところも好きです。


2:・・・と手放しで褒めてましたが、二つ目でやらかしました。「パンティー」うんぬんはどうでもいいのです。

せっかく去年から「しずる=青春コント」を払拭しかけていたのに、ここで青春コントに近いネタをやってしまいました。ありゃりゃ。

「・・・干された」パンティーだけにな!結局、池田の演技力だけが浮き彫りになった形でした。村上の方は鼻から息が抜けるのどうにかならないのか。鼻を殴りたい。


●ピース

1:ピースのネタって「想像してごらん・・?」しか見たことなかったので新鮮でした。

あー、こういうファンタジー系なコントなのかー。これも「こういうキャラ面白いでしょ?」のカテゴリーなのだろうと思いますが、ピースはちゃんと総合的に笑わせようとしている。ストーリーやシチュエーションで笑わせようとしている。あ、綾ちゃんのドナリがちょっと気になりました。

でも、こういうコント。幸せになるようなコント。僕は大好きです。


2:いやー、面白い。こういうことが出来るコンビなんだぁ、と妙に感心しました。

何が良かったって怪物なのに、人様を見下してないってところ。人間を敬ってることで世界観を壊していない。

ここ、結構大事なんではないかと。コントにおいて世界観を壊さないっていうのは大切です。

ピースだけにこういう平和的なコントをやっていたら、絶対に評価されます。

今いないタイプのコント師だなって思いました。


●キングオブコメディ

1,2:僕がここ数年、支持してきたキングオブコメディらしさが良く出ていて満足しました。

何がいいって今野のボケにスル―するところはするし、ツッコむところはツッコむし、答えるところは答える。

ずっと見ていて飽きないし、逆に短くても楽しい。とにかくコミュニケーションが面白い。

言葉が面白い。今野も面白いし、高橋も面白い。良かった。


冤罪で捕まって一年間、活動自粛してたキングオブコメディですが、やっと評価される時期が来ました!

とにかく良かった!



とまぁ、散々講釈を垂れていたわけですが、去年より感心が少なかったのは事実であり。


でもピースという良素材が見つかって良かったです。終わり!