【労災保険】中小事業主等の特別加入者の補償範囲
特別加入制度とは労災保険制度は、本来、労働者の業務災害等に対する保護を目的とする制度であって、労働者以外の者を保護の対象とするものではありません。しかし、中小事業主等、業務の実態や災害の発生状況から見て、労働者に準じて保護を必要とする場合もあることから、労災保険の趣旨を損なわず、かつ保険技術的に可能な範囲で特に労災保険への加入を認める制度です。中小事業主等が特別加入する為の要件以下の2つの要件を満たし、所轄の都道府県労働局長の承認を受けることが必要です。①雇用する労働者について保険関係が成立していること②労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していることよって、労働者が一人もいない事業所では、中小事業主等の特別加入をすることができません。補償の対象となる範囲1、業務災害就業中の災害であって、次の①~⑦のいずれかに該当する場合に保険給付が行われます。① 特別加入申請書の「業務の内容」欄に記載された労働者の所定労働時間(休憩時間を含む)内に特別加入申請した事業のためにする行為およびこれに直接附帯する行為を行う場合(事業主の立場で行われる業務を除く)② 労働者の時間外労働または休日労働に応じて就業する場合③ ①または②に前後して行われる業務(準備・後始末行為を含む)を中小事業主等のみで行う場合④ ①、②、③の就業時間内における事業場施設の利用中および事業場施設内で行動中の場合⑤ 事業の運営に直接必要な業務(事業主の立場で行われる業務を除く)のために出張する場合⑥ 通勤途上で労働者の通勤用に事業主が提供する交通機関の利用中や突発事故(台風、火災など)による予定外の緊急の出勤途上の場合⑦ 事業の運営に直接必要な運動競技会その他の行事について労働者(業務遂行性が認められる者)を伴って出席する場合※通勤災害については一般の労働者の場合と同様に取り扱われます。特別加入者の休業(補償)等給付について休業(補償)等給付については、特別加入者の場合、所得喪失の有無にかかわらず、療養のため補償の対象とされている範囲(業務遂行性が認められる範囲)の業務または作業について全部労働不能であることが必要となっています。全部労働不能とは、入院中または自宅就床加療中もしくは通院加療中であって、補償の対象とされている範囲(業務遂行性が認められる範囲)の業務または作業ができない状態をいいます。