風かおる 鉄の路 -2ページ目

風かおる 鉄の路

主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

精霊流しの特別系統

長崎のお盆に行われる伝統行事「精霊流し」。
初盆を迎えた故人の家族が盆提灯や造花で彩った「精霊船」に故人の霊を乗せ、「流し場」まで運んでいく行事です。
まるで山車のような華やかな精霊船が登場するほか、魔除けの意味を込めて道中では爆竹が幾度も鳴らされるという、なかなかに派手な光景が繰り広げられることから、観光客も多く見物に訪れます。
 
私もさっそく見に行くことに。
 
やってきたのは新地中華街停留所からほど近くの湊公園。
長崎ランタンフェスティバルのときは「新地中華街会場」として極彩色のランタンで彩られるこの公園ですが、今の時期はその広い敷地が見渡せます。
 
湊公園の中に、大きな船型の物体が鎮座していました。
ランタンが取り付けられたこちら、精霊船です!
どこからどう見てもお祭りに使いそうな見た目ですが、故人の霊を送るための船なのです。
 
おや…?
遠くから爆竹の音が聞こえてきました。
行ってみましょう。
 
ここにもやってきていました、精霊船!
一旦湊公園の横で小休止のようです。
その間に何度も爆竹に火を付け、そのたびにパチパチという音が響き渡ります。
 
爆竹の鳴る音と時折聞こえるコンコンという鐘の音。
独特の雰囲気が漂いますね。
 
湊公園から少し歩いて観光通りにやってきました。
ここでは路面電車の運行を停止して精霊船を通しています。
いくつもの精霊船を見ていると、その多くに「西方丸」と掲げられているのがわかります。
「西方」とは西方浄土、すなわち極楽浄土のことであり、故人の霊が極楽浄土にたどり着けるようにとの願いを込めて「西方丸」と書いた帆をかかげるのだそう。
 
おや?
なにやら龍がやってきましたね。
 
ってうわっ…!
龍の近くを歩いていた一人が突然爆竹を箱ごと点火。
凄まじい音響と煙が辺り一帯を覆います。
街なかでこんな光景が見れるとは…すごいとしか言いようがないです。
 
そしてその後ろから登場した龍。これも精霊船です。
今では船の形にこだわらず、いろんな形をした精霊船が作られているそうで、故人がバスの運転手で「西方浄土」の方向幕を掲げたバス型の精霊船が作られた例もあるのだとか。
 
次々と大きなものから小さなものまで精霊船が進んでいきます。
爆竹の音も常に響き渡っていて、耳栓がほしいと思ってしまうくらいでした。
 
あまりにも賑やかすぎてお祭りと勘違いしてしまいそうですが…
精霊船の中には遺影を掲げたものもあって、本当は故人を送るためのしめやかな行事であることを思い出させます。
 
賑やかなのにしめやか。相反した特徴をあわせ持つ精霊流しです。
 
精霊船の横を路面電車が通過。
これも長崎ならではの風景です。
 

ますますヒートアップ?

新地中華街停留所に戻って、臨時7号系統に乗車します。
 
やってきたのは大波止。
ここで精霊船を待ち受けます。
 
やってきました精霊船!
あちこちから集まってきた精霊船がここに集結するため大混雑。
警察官の指示に従って少しづつ進んでいきます。
 
この先は花火禁止区間のため、ここぞとばかりに余った爆竹をフル点火させるグループが多く、今までで一番激しく爆竹が鳴り響きます。
 
そして……ここで事件が起きてしまいます。
 
 
なんとあるグループのメンバーが箱いっぱいに詰まった爆竹に点火、その箱を走行中の路面電車に投げつけたのです。
とっても危険なこの行為、すぐに周りにいた警察官に取り押さえられましたが、メンバーと警察官の間でもみ合いが起こっていました…
 
魔除けの意味を込めた爆竹のはずですが……………
 
観光客の私から見ても明らかに逸脱しているとしか言いようのない行動でした。
 
よくよく見ると、爆竹をあえて警備中の警察官の足元に向かって点火させる行為も目について…
伝統行事を笠に着て日頃のうっぷんを晴らしたいだけの方が混ざっているのでは?と疑ってしまいそうになってしまいました。
 
少しずつ進む列。
 
先ほどの龍もやってきました。
 
そして…
 
!?
 
進むたびに赤と緑の花火を打ち上げるグループがやってきました。
 
 
 
街なかで次々と打ち上がる花火。
すごすぎる…
 

精霊船の最後

このように賑やかにやってきた精霊流しもいよいよ終着点。
 
大波止のフェリー乗り場のそばが「流し場」です。
 
到着した精霊船は灯りをすべて消し、遺影など持ち帰るものをすべて取り外したら…
 
船の横へ。
 
この先には重機が待ち構えていて…
 
持ち込まれた精霊船をあっという間に解体していきます。
 
実は、以前は実際に精霊船を海に流していたそうですが、長崎市では1871年(明治4年)にはすでに禁止されており、「流し場」で解体する形を取っています。
あれだけ賑やかだった精霊船が灯りも消え、数秒で解体されていく…
諸行無常とはまさにこのことです。
 
精霊船を送り出した人々の中には小さな子どもの遺影を抱いたお母さんもいて…
観光気分で見ていた私ははっと胸を突かれる想いがしました。
 
どんなに賑やかであっても、これは故人を極楽浄土へ送るための大切な祈りの行事。
そのことを忘れてはいけないと感じました。
 

開業後初の西九州新幹線!

爆竹の音を聞きすぎて耳がおかしくなりかけたので、精霊流しを見るのはこれくらいにして長崎駅に戻ります。

 

駅のスタバで今だけのスイカフラペチーノを飲んで一息。

 
ちょうど20%OFFになっていたのでケーキもいただきました。
 
 
さて、ここからは西九州新幹線に乗って博多へと帰ります。
 
使用するのはこちら、「かもめネット早特3」。
早めの購入でかなりお得になるきっぷです。
 
かもめ62号→リレーかもめ62号の乗り継ぎで帰ります。
 
実は、開業後に西九州新幹線に乗るのはこれが初めてだったりします。
試運転は行ったのですが、その後はなかなか行けなくて…
 
ということで、新幹線~特急対面乗り換えは今回が初になります。
 
乗車するかもめ62号、その下には謎の「門司港行き新幹線」(笑)
リレー特急と接続するからこそ出せる表示です。
 
 
港まで望めるホームにやってくると、すでにかもめ62号は停車していました。
 
N700S8000番台。2回目の乗車です。
 
通過駅があるタイプなので方向幕は赤色。各停タイプはこだまと同じく青色だそうです。
 
車内に入って指定席に着席。今回は緑色のモケットの2号車でした。
 
表示機は東海道・山陽新幹線のものと同一ですが…
 
「武雄温泉にて博多行き特急と接続」としきりに表示しているのが特徴的でした。
早く全通しないかな…
 
21:19、長崎を発車。すぐにトンネルに入ります。
オリジナルのチャイムが流れました。
 
トンネルを抜け、最初の停車駅、諫早に停車。
 
続いて新大村に停車します。
 
新大村を出ると、車窓には大村湾の景色が広がるはずですが、夜なので見えず。
 
唯一の通過駅、嬉野温泉を通過したところで武雄温泉に到着する放送が流れ始めました。
 
博多行き特急と接続とここでも案内されています。
21:46、武雄温泉に到着。
ここでリレーかもめに乗り換えです。
 
誤乗防止のため、乗ってきた編成は「武雄温泉」を表示。
本当の行き先である武雄温泉はここでしか見れないのです(笑)
 
 
乗車するリレーかもめはすぐお隣に停車中。
対面乗り換えなので乗り換えはラクラクでした。
 
せっかくなので元ビュッフェ車に乗車。
博多までのひとときを楽しみました。
それにしても特急よく揺れるので早く新幹線の全通を…
 
22:47、終点の博多に到着。
1泊2日の短い旅の終わりです。
 
今回は古くからの避暑地である雲仙で硫黄泉を楽しみ、そして長崎で精霊流しを見ることができました。
1泊だけの旅でしたが、たまには近場で泊まるというのもいいですね~
 
それでは。
 
 
★乗車データ
長崎電気軌道 臨時7号系統 赤迫行き 新地中華街(18:36)→大波止(18:41) 5000形 5003号
2062G かもめ62号 武雄温泉(博多)行き 長崎(21:19)→武雄温泉(21:46)⑪ N700S Y4編成
2062H リレーかもめ62号 博多行き 武雄温泉(21:49)⑩→博多(22:47)④ 787系 BM8編成
※2023年8月15日乗車

 

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精霊流しの特別系統

さて、ここからは精霊流しを見に行くわけですが、鉄道ファン的にちょっと注目すべき今日だけの現象があるので路面電車に乗っていきましょう!

 

やってきたのは長崎電気軌道の長崎駅前停留所。

 

駅名標の上からこんな紙が貼ってありました。

 

そう、今日は精霊流しということで1号系統の新地中華街~崇福寺間が16時より区間運休となるのです。

そのため、普段は見れない「新地中華街行き」の系統が運行されているそうです。

 

今回は今日だけのこの珍しい系統に乗車していきます。

 

ちょうどその初便がやってきました!

白地に「新地中華街」と書かれたシンプルな幕を掲げています。

 

側面も同じく新地中華街行き。

ちなみに、系統番号は書かれていませんが内部的には「7号系統」という扱いになっているようです。

 

多くの方を乗せた電車は長崎駅前を発車。

途中出島を横に見ながら走っていきます。

なんと放送もきっちり対応していました。

 

長崎駅前から4停、終点の新地中華街に到着しました。

 

この電車はここから折り返し赤迫行きになります。

 

新地中華街での折り返し

さて、その折りかえしのやり方がけっこう面白いので見ていきましょう。

 

まずは崇福寺寄りまで移動し、反対方向から来る電車をやり過ごします。
 
反対方向の列車がいなくなったら地上係員がてこで渡り線のポイントを操作。
 
渡り線を通って電車は赤迫方面向きホームへ。
そのまま折り返し運行に入ります。
 
せっかくなのでもう一度。
 
新地中華街止まりの列車がやってきました。
 
まずは乗客を降ろし…
 
地上係員の誘導で停止位置まで進みます。
反対方向からの列車がいなくなったら…
 
渡り線のポイントを地上係員が操作。
 
操作が終了したら地上係員が緑色の信号旗を掲げます。
 
 
地上係員の誘導に従って反対方向へ電車は進み渡り線を通過。
 
電車を通過させたら係員は再びポイントを戻します。
この一連の動作を折り返し作業ごとに繰り返すようです。
 
 
遠隔操作ができないため、折り返しのたびごとに係員の操作を必要とする新地中華街での折り返し作業。
今日だけの珍しい光景を見ることができました…!
 
次回はいよいよ精霊流しを見に行きます。
 
 
★乗車データ
長崎電気軌道 臨時7号系統 新地中華街行き 長崎駅前(16:39)→新地中華街(16:47) 202形208号

※2023年8月15日乗車

 

 

次回→(執筆中)
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できたての湯せんぺい

青雲荘からバスに乗って昨日と同じ雲仙温泉街の中心にやってきました。

 

バス停のそばにある「遠江屋本舗」というお店に入ってみます。

ここは、雲仙名物「湯せんぺい」の製造販売を行っているお店。
目の前で出来立ての湯せんぺいをいただくこともできます!
 
湯せんぺいが焼き上がり…
 
熱々のままいただきます!
雲仙の温泉水を生地に練り込んだせんぺいは口の中でカリッと香ばしく砕けます。
できたてのものが食べられるのはここだけです!
 

地獄の成れの果て

続いてやってきたのは遠江屋から少し歩いた場所にある「原生沼」。

 

広さ1.3haの湿原にはミズゴケを中心とする植物が群落を作っています。

 

 

実はこの湿原、数千年前には現在の雲仙地獄と同じような噴気地帯だったそうです。

数千年をかけて噴気活動が原生沼→旧八万地獄(月面地獄)→大叫喚地獄と西へと移動しているのだとか。

 

植物あふれる湿原が、昔は荒涼とした噴気地帯だったとはにわかには信じがたい光景ですね(笑)

 

穏やかになった原生沼の周りではちょうど雲仙合宿に来ていた陸上部?の生徒たちが沼を周回する遊歩道をぐるぐると走るトレーニングをしていました。

 

雲仙温泉の謎

続いてやってきたのは雲仙お山の情報館。

 

 
 
ここでは雲仙温泉や雲仙普賢岳の活動について学ぶことができます。
 
例えば、島原温泉・雲仙温泉・雲仙普賢岳・小浜温泉はすべて橘湾の真下にあるマグマ溜まりのエネルギーによって活動していることを示す模型とか…
 
昔の雲仙地獄を再現した模型だとか…
興味深い展示がいっぱい。
雲仙についてもっと知りたい人にぴったりな場所でした。
 
最後にもう一度雲仙地獄を眺めることに。
 
 
泥火山は昨日と形が変わっていました。
 
 
昨日よりも噴気が上がっている?
天候によっても違うのでしょうか…?
 
最後に雲仙バス停の前のお店まで歩いて温泉卵をいただきます。
地獄からはけっこう離れた場所にあるお店ですが卵はアツアツ。
どうやって保温しているのでしょうか。不思議ですね~
 

諫早へ

さて、ここからは長崎市へと向かいます。
 
やってきたのは諫早駅前行きのバス。
一気に諫早まで向かいます。
 
最後に雲仙地獄を車窓から眺めて。
雲仙温泉を離れます。
 
バスは山道を越え、段々と高度を下げてきました。
 
海が見えてくると、まもなく小浜温泉です。
 
小浜温泉街を通り抜け、
 
バスは小浜温泉のバスターミナルに一旦入ります。
 
小浜温泉を過ぎるとしばらく車窓には橘湾の景色が広がります。
穏やかな海ですが、この下には雲仙普賢岳の大災害を引き起こし、島原半島の温泉の恵みをもたらす巨大なマグマ溜まりがあるのです。
 
ちなみに橘湾の名前の由来は日露戦争で活躍した陸軍中佐 橘周太に由来するそう。
 
その橘湾を眺めつつ、バスは島原半島西側を進んでいきます。
 
 
バスは諫早市内に入り、本諫早駅の横を通過します。
 
 
途中、諫早公園の横を通過した際、眼鏡橋がかかっているのに気づきました。
これはもともと本明川に架かっていた橋で、1957年諫早大水害の洪水発生後川幅を広げることになり、使用できなくなった橋をここに移築したものだそうです。
 
眼鏡橋といえば長崎のものが有名ですが、諫早にもあったのですね。
 
最後にその本明川を渡り…
 
諫早駅前にとうちゃくしました。
 
雲仙~諫早。長距離路線の旅でした。
 

電化廃止区間を行く

さて、ここからは長崎本線に乗って長崎に向かいます。
西九州新幹線開業後に乗るのは実は初めて。
 
 

 

ホームは以前と変わってないように見えますが…

架線にはもはや電気は流れておらず、撤去を待つだけらしいですね…

 
乗車するのは区間快速シーサイドライナー。
 
おなじみYC1系です。
 
発車した列車は長崎本線を飛ばしていきます。
 
架線も架線柱も残っており、電化区間のように見えますが、すでに使われていない設備。
ここは非電化路線になってしまったのです。
見ている限りではそうは思えない光景ですが…
 
喜々津を越え、長崎トンネルを抜けて、列車は長崎の市街地へ。
 
特急が止まらなくなったことによりホーム延長部が撤去された痕跡が残る浦上に停車。
 
 
YC1系が何両か休む待避線を見ながら、
 
列車は終点の長崎に到着しました。
 
真新しい長崎駅。
今でも白いかもめが入線しそうに思えますが、電化廃止により2度とやってくることはできなくなりました…
高架ホームに切り替わってから特急廃止まで約2年、ちょっともったいなく思いますが…
 

まだまだ変わる長崎駅

前に来たときは西九州新幹線開業直前。
そのときよりもさらにアミュプラザへの導線が変わっており、旧地上駅の名残りはわからなくなっていました。
 
 
次回→(執筆中)
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