2021年9月28日夕刻、ここは福岡市西区の愛宕一丁目(都市高速下)というバス停です。
今日はここからとある廃線跡へ行こうと思います。
その廃線跡は、Twitterでの情報提供があるまで知りませんでした。
八神心愛🌸姉ココア (お絵かきもするよ✍🏻🎨)@Coco__Chino室見川の横の愛宕神社にはかつてロープウェイがあったんだよ もうだいぶ昔に廃止されてるけど。 画像1枚目はまだ202号線の愛宕大橋が作られる前の古地図 画像2枚目の奥に見える橋は 国鉄時代に姪浜駅から伸びてた線… https://t.co/gDmZHo45YC
2020年09月24日 09:34
福岡市でロープウェイといえば大博通りの上に建設しようとして頓挫した計画が思い浮かびますが、戦前には実際に運行されていたロープウェイがあったとは…
ほとんどの人が存在すら知らないロープウェイの廃線跡。
今回ようやく行くことができました。
愛宕神社にあるロープウェイ、ということでまずは神社のほうに向かいます。
向かうのですが……
鳥居をくぐるといきなり現れた急階段。
これを登らないと神社へは行けません。
階段が終わってもまた階段。
そろそろしんどくなってきました…
かつて一大観光スポットだった愛宕神社のロープウェイ。その運命を決したのは第二次世界大戦でした。
途中で赤鳥居が現れますが、これは愛宕音次郎稲荷神社のもの。
愛宕神社へは鳥居をくぐらず階段を登ります。
左手に稲荷神社が見えてきたところでようやく階段は終わり。
大都市の真ん中とは思えない森の中を進みます。
特別緑地保全地区なのだとか。
しばらく歩き、茶屋の前に来て後ろを振り返ると看板が…
近寄ってみると、目的のロープウェイについて書かれた看板でした…!
当時は輸送需要が小さい路線や観光目的の路線が不要不急線とされ、休止扱いとなり線路設備が撤去・供出されました。
特に観光地に多かったロープウェイ・ケーブルカーは多くが不要不急線に指定。戦後になっても復活できなかった路線も多いそうです。
愛宕索道もその一つ…
案内板横には階段があって、山上駅跡に続いているそう…
ということで行ってみます!
階段を登るとそこは山道。
歩くこと2分ほど。
何やらコンクリートの広場みたいなものが見えてきました。
戦前の遺構が今、目の前に広がります。
案内板によると、この駅跡は2017年に発掘されるまでは木々に埋もれていたとか…
約70年ぶりにその姿を現したというわけです。
こちらは動力室跡。
ゴンドラを巻き上げるための機械が設置されていた場所です。
そして、ここが乗降場だった場所。
真ん中にあるのは点検用ホームで、乗客は左右のホームから交互に発着する2台のゴンドラに乗車していました。
当時の車両が写っています。
右側ホームに立って山麓のほうを向いてみると当時の光景が手に取るように浮かびます。
今は木々で覆われている斜面の上を登っていくゴンドラ。
高度を上げるにつれ、福岡の街並みが一望できるように…
きっと歓声があがることもあったのでしょうね…
ちなみに徒歩では行き帰りが辛い愛宕神社ですが、車だと山の上まで直接行くことができます。
このあたりも戦後ロープウェイが復活しなかった理由なのかな?と思います。
大都市・福岡市の中にひっそりたたずむ忘れられたロープウェイ跡地。
山上駅の遺構がけっこう残っているのでご興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか?
情報提供いただいた姉ココアさんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
※山の中なので虫対策はしたほうがいいと思います…(私は何箇所も蚊に刺されてしまいました…)
それでは。