今の仕事に就いて前職、前々職
合わせて約20年

今の職場で世話になるまでの
99%が、お宅を回る居宅介護

愚痴のつもりはないが、今の職場に移って
利用者に少し違和感を覚えることがある

先に一つ断っておくけど
利用者一人一人、みんな好きやし
気持ちよく笑顔で過ごしてほしい思いは
今も前職も同じですので
現場の話として流していただけると
有難く思います


あたしがこの業界に初めて飛び込んだのは
筋ジストロフィーに10歳で罹患した
30過ぎの方が自ら立ち上げた
自分とあと数名の方のお世話をする
居宅介護事業所でした

彼は、発症後何年かして
京都の宇多野にある病院に入院しながら
隣接する支援学校に通われてました

もちろん、私生活から学校生活まで
全て介護介助がつきます

彼の元でお世話をするヘルパーは
あたしを合わせて4人
みんな真面目で優しいヘルパーで
アホはっかりしてきたのはあたしのみ( ̄▽ ̄;)

普段の話の中身や体験談も
彼の全く知らない世界やったんやろな

彼は、いろんな質問を毎日してきてた

いつかのブログにも書いたけど
薬の影響で彼が肺水腫になり
宇多野病院に入院することがあった

入院するにあたり彼には一つ
大きな悩みがあった

いつも看護師とケンカになる

これが彼の悩みやった

いろいろ考えて一つ『もしかして』と
思うことがあった

「なんかしてもらう度にちゃんとありがとうって伝えてる?」

この問を彼に投げかけてみた
すると彼は

「なんでそんなん伝えなアカンの?仕事なんやししてくれて当たり前のことやん」

確かにそうなんかも知れんけど…

あたしは彼に

「確かにそうなんやけどな、尿器でオシッコ取ってもらって、う〇ちも取ってもらって、移動は電動車椅子で自分でできるけど食事、着替え、入浴…全てしてくれるやろ?自分のでも臭いのに他人の排泄物になると尚更やで。やっぱり、なんかしてもらったらありがとうちゃうか?」

彼にとって目からウロコやったらしい

その数日後、彼は宇多野へ出発
約1ヶ月後、彼は旅立ってしまうのだが
その前日に彼から

「じじい!さんに言われたようにみんなにありがとうって言うたらみんなめっちゃ優しいねん」と

その日の夜に看護師さん達に
かき氷を振る舞いその日に彼は逝ってしまった

お母さんからは、そのことの
お礼を言われたが、なんとも…


誤解のないように言うとくけど
今の利用者が『ありがとう』を言わないとか
そういうことやないのよ^^;


あたしは、居宅介護の支援の中には
移動支援や強度行動障害の外出支援には
『最低限の社会のルール』を身につけてもらう
そんな意味合いもあり親御さんも望んでいた

ところが、今の行政の判断の元では
それが不十分にしかできない

ちょっと前のあたしのように
周囲の安全や迷惑を考えて
利用者を押さえつけると虐待と言われる

そうなると放置するしかない

それでいいのか?

施設で生活しててもドライブ行ったり
外食したり誕生日したり…
外に出ることは度々ある

昔ほどではないにしろ世の中には
差別的な目で見てくるヤツも多々おる

障害者だから迷惑かけて当たり前やない

それも踏まえてあたしたちが
そうならないようにサポートすることも
支援の一つやないんやろか?

あたしだけかもやけど
あたしは、利用者みんなが
今の施設で過ごすことが一番の幸せなんて
思っていない

施設で過ごすのは親御さんや兄弟姉妹…
お世話できる人がいなくなってからで
ええんやないかと思ってる

そのためにもご家族の負担が減るように
『社会的ルール』を身につけてもらう必要は
大きいんやないんかな?

ご家族、地域、社会…にとっても
利用者たちほどピュアで可愛い
そんな彼らの一面を知ってほしい

きっと彼らは誰からも好かれるはず

あたしは、そう信じてる

その足枷になってるのが
行政やないかな?

施設ってね…
安全のために外との出入口には施錠してんの

考えてみると…閉鎖的な空間よ

じじい!の戯言でごめんなさい

好きな時にテレビ観て…

みんな自由がいいに決まってる!

ちゃうか?