アメリカ人が That was goodと言いそうな話をします
車を運転中「ヒヤリ」としたことのない人はいないと思います
「ああっ 運が良かった」そんなことも何度もあったと思います
今から30年以上前、千葉県の免許センターでの話です
大体1時間くらいの こうしてはいけない、ああしてはいけないといった講習があり
あと、10分くらいで終わるかなというとき
「長い講習の最後になりますが、今日の講習でこれ1つだけは覚えて帰ってください」
小さな子供の飛び出し事故はなかなか防げませんが、私の経験上の話として聞いてください
車の陰にいる子供はなかなか見えません
また、子供は身長が低く停まっている車のウィンドウから頭が見えないことも多いです
特に大型車の場合はすっぽり隠れてしまいます
路肩に車が停まっているなと思ったら、車の下
地面から車の下の部分を見てください
停まっている車が、特に事故の多いトラックなどの大型車の場合は脚が見えます
いつでも止められるよう減速してください
こんな話で講習が終わりました
それから30年以上たった、ある天気の良い日
車の運転中です
ひょいと見ると左に青いトラックが停まっています
いつもならそのまま走ってゆくのですが、その時に限って目がタイヤのあたりに行きました
小さな・細い脚が運動会のスタートのように構えられています
ブレーキを踏みました
その目の前を子供が走ってゆきます
渡り切った子供はニコニコ笑って駆けてゆきました
ほんの一瞬のことです
思わず空を見上げてしまいました
日差しの良いうららかな日です
こんな日に、
もしかしたら大変なことになっていたかもしれなかった
あの時の一言が、何十年もたって
子供と自分を救ってくれたと思うと何とも言えない感動のようなものがわいてきました
「皆さん長い話になってしまいましたが、私の経験上の話になりますが
今日のこの話一つだけは覚えて帰ってください」