ふぐ処理師免許
2月にふぐ処理師の試験を受けました。その名のとおり、ふぐをさばくための資格なのですが、普段私はホールに出て接客をしているのでふぐをさばくなんてことはほとんどありません。勿論、お店ではちゃんと資格を持った板前さんがさばいています。もともと私は料理を食べるのは大好きなのですが、するのはちょっと・・・いや、かなり苦手ですし、料理をする度に手に怪我をしてしまいます・・・。私には小学校4年生の娘がいるのですが、4年生からクラブ活動があり、「ママがお料理下手だから私が料理クラブに入って作ってあげる」と言われてしましました。そんな私がなぜふぐ処理師の資格を取ろうと思ったかと言うと、「ふぐ乃小川」は私の父が経営する会社なのですが、去年の8月から下通店を私にまかせてもらえることになり、ふぐも自分でさばけるようになろう!と思い、試験を受けました。それからは毎日ふぐと格闘でした・・・。試験の何日か前に、受験者を対象にした講習会があり、行きましたが実技を教えて下さる先生が、私が二十歳の頃に働いていた大分のふぐ屋さんにいらっしゃった方でした。10年ぶり位にお会いしましたが私のことを覚えていてくださいましたし、そこはふぐ乃小川の女将になるために修行をしに行ったお店でしたので、勿論私がふぐ乃小川だということは知ってらっしゃいました。先生がみんながふぐをさばく練習をしているところを回っていて、私の所に来られた時に、「小川さんはふぐをさばくなんて簡単でしょ~。ふぐ乃小川が落ちると恥ずかしいよ~」なんて冗談まじりに言われ、私も「勿論ばっちりですよ~」と笑い飛ばしましたが、それが余計にプレッシャーとなってしまいました。前にも一度同じようなことがありました。私が中学生の時、家庭科の調理実習の時間に魚を三枚におろすというのがありました。私の父はふぐ乃小川とは別に小川水産という魚の養殖業もしています。家では毎日食事に魚がありました。それを友達はみんな知っていたので、「直ちゃんは魚さばくなんて簡単に出来るよね~。やり方教えて」と言われ、勿論私は魚をさばいたこともないので出来るわけもないのですが、みんなが一斉に注目するので無理と言えず、取り合えず母がやっていたのを思い出しながら見よう見まねでやったのですがメチャクチャになり、すごく恥ずかしい思いをしたことがあります。それを思い出し、あの時のようにはならないように頑張らないと、と思いプレッシャーと同時にやる気も出ました。毎日お店で板前さんに習い、実技では20分という時間制限があり、その時間内でさばいて、内臓をすべて分けて、三枚におろさないといけません。ふぐがさばけるようになっても、時間が足りず焦ってしまい、手を怪我して血が出ていても、それがふぐの血か自分の血かも気付かず、後で怪我をしていたことが分かるという毎日でした・・・。実技だけならいいのですが筆記試験とふぐの種類鑑別もあります。ふぐは種類がかなり多く、テキストに載っていたふぐたけでもかなりの種類でした。その外見の特徴と、どの部位に毒があるかを覚えなくてはいけません。何かの試験を受けるなんか車の免許以来だったので、かなり久しぶりの勉強でした。しかも試験の時は不安と緊張のあまり、一瞬トラフグさえも迷ってしまいました・・・。5匹のうち1匹でも間違えると不合格になるので合格発表まではドキドキでした。2/28が合格派発表でしたが無事に合格し、今まではふぐ乃小川の専任ふぐ処理師は父でしたが、今は私になりました。もう、ふぐをさばくのはばっちりですし、今ではふぐ刺もひけるようになりました!!