Kはだんじりにも参加してた。


コロナ禍があけ、久しぶりのだんじり祭だった。


来年は忙しいから参加できないだろうな。


これが最後のだんじりなんだろうなと前日に思っていると


K「足袋しらん?」


私「みてないいよ」


K「下宿かな。みにいってくる」


私「そんなんないよ、遠いしやめたら?」


Kは下宿を学校の近くに借りていた。

電気、ガス一切払ってなくてとめられていたが、荷物は少しそこにあった。


バイクで学校に通ってた。


いきしは高速にのって、帰りは普段は下道で、往復2000円ほどだった。


高いようだが、家賃以外一切かからないので、私と一緒にすんでいた頃は普通にしていれば、少ない仕送りでも、お金に本当はゆとりがあっただろう。


だけれどあるだけ使うKにはゆとりは常になかった。


無駄なのに、わざわざ下宿までいき、結局なかった。


お店を一生懸命探したが、ゴールデンウィーク中なので朝もあいているところは少なかった。


一生懸命私も調べた。


Kはイライラしていた。



つぎの日の朝、家の近くのお店で結局買えた。


昼、だんじりを見に行くと、私がいることに気がつき、微笑んでくれた。


だんじりがはじまり、Kは神輿の上に乗り、めだっていた。


かっこいいな、とおもっていると


「うわぁ」


突然大きな声が聞こえた。


Kが、神輿の上にから宙ぶらりんに、ぶらさがった状態になっていた。


支えてる紐があったけどこわい。


どうしよ、助けにいく

いや、私がいっても、、

 

と思っていると周囲の人が助けてくれ、無事に神輿の上に戻れていた。


運が悪ければそのまましたに落ちて、ニュースに報道される事件となっていたかもしれない。



Kはいつも運がよかった。




体勢を建て直し、おちついたKとまた目があった。


いい顔をしてくれた事実だけ覚えている。





でも、もう、いまはそのときどんな顔だったかも思い出せない。