このころ、仕事はとても忙しかった。
大学受験だけでなく、中学受験も担当していた。
中学受験の家庭教師は大学受験よりさらに精神力と体力が必要だった。
仕事では全く不幸を相手に感じさせることがないように振る舞ってた。
だけれど、生徒の家をでて五分後苦しくて号泣する毎日だった。
プロ家庭教師が仕事でプライベートを持ち出すわけない。
私がこんなにつらい日々を送ってるなんて、秋ちゃん以外知らなかった。
朝マックのかわりのお金を渡し、新しいARMANIのバッグでしかも、車も貸してあげたからご機嫌に家をでてから、15分ぐらいあとのことだった。
Kがいつもつかっているリュックから洗濯物とりだそうとすると、内ポケットに何かあることに気がついた。
コンドームだった。
しかも三つも
呆然とした。
え、こんなん持ち歩いてるん。
え、なんで?なんでなん?
真っ暗になった。