あのころは幸せだった。


一番大事な生徒だった。


信頼してた、そして自慢の生徒だった。


彼はスポーツも一流、勉強も浪人したとはいえ、一流だった。


20才のBirthdayも授業中にお祝いした。


合格発表も授業中に見た。


優秀だった彼がセンター試験(現在の共通テスト)失敗し、国立に落ちたことは想定外だったが、私立医学部はもちろん全部合格した。関西で一番と言われる伝統ある優秀な私立大学にも合格した。


想定外だったのは、あんなに優秀で、実家も裕福なのに地域枠で受験した学校があったことだった。



大事とはいえ、生徒のことであったし、それに対して口を挟むのもおかしく、とりあえずは合格を喜んだ。


とてもいい関係だった。


まさかこんなことになるとはあのとき思わなかった。



未来が見えていたら、あのときに戻りたい。



こんなことになるなら、、と思う。