橘玲 氏の新刊 上級市民/下級市民 読んだので解説します~。
ゴミ派遣労働者の今後を占う参考になる、かもしれない一冊です。
この本に興味があるけど、買うかどうか迷ってる方向けに書きました。
この記事を読むと、内容のエッセンスが頭に入りますので、
買って読む、を選択したした方も、
本書を読む前にこれを読んでおけば、
この本の内容が早くすんなり
入ります。
[:contents]
目次
1 俺なりの感想
2 part 1 まとめ
3 part 2まとめ
4 part 3に行く前に、用語解説
5 part 3まとめ
6 アマゾンレビュー では
7 この本には書かれてなかったこと
1 俺なりの感想
- 池袋上級国民事件についていろいろ紙面を割いてるかと思ったが、あんま書いてない
- 「私たちがどのような社会に生きており、そこでなにが起きていて、これからどのような世界がやってくるのかを(かなりの精度で)予測できれば、自分と家族が生き延び、幸福な人生を手に入れられるにきっと大きな助けになるでしょう」 と、まえがきには書いてあるのだが、最後まで読んでも、問題解決の方法は、よー分からんかった。(>_<)
- むしろ、高学歴→高知能→高収入の構図が繰り返しでてきて、 低学歴なゴミ派遣労働者の俺としては、沈んだ気持ちになれた。
- それでもなんか希望はないのかと探してみたが、そんな文章は、無かった気がする・・・・。
こんな救いのないような感じの本書ですが、興味のある方はよかったらどうぞ~
上級国民/下級国民 (小学館新書)
886円
Amazon |
読み物としては、けっこうおもしろいよ~
2 part 1 まとめ
part1では、平成での、下級国民誕生と、令和に起きることについて書いています。
平成で起きたこと
- 日本経済は低迷し続けた
- 日本のサラリーマンは世界的な比較において、極端なほど、仕事にネガティブで会社を憎んでいる
- 日本のサラリーマンは世界で一番、長時間労働だが、しかも世界で一番、労働生産性が低い
- 自営業が減って、人々は、正規か非正規の「会社員」となった。
- 若者、とりわけ男性の雇用が破壊され、中高年は守られた
- 実際のひきこもりは、内閣府発表の約100万人以上よりよりはるかに多い500万人ほど
- 製造施設の海外移転が増え、国内の新卒採用は絞り込まれた
- 正社員の既得権の維持のため、新たな正社員の採用はおさえられた
- 日本では、米国と違い、ITの導入が組織の合理化をもたらさなかった
- 日本的雇用システムでは労働市場の流動性は極端に低い
- 金融危機や震災のようなショックで若者は雇用から排除される
令和で起きること
- 90年代金融危機の時、政府が、団塊の世代の生活守らなくっちゃと 思った
- 結果、若者の失業率あがった。
- 職を失う中高年は低学歴層におおい
- 90年代半ばを起点として、フリーター→パラサイトシングル→ひきこもり、というつながりがあるよ
- 都合の悪い事は若者のせいにしとけ
- オランダではパートタイム労働者とフルタイム労働者の均等待遇が実現
- 日本では正社員と非正規は身分違うし人間としての、価値も違う
- 中高年の雇用を保護しすぎで若者の失業を招いた、と言う内容で新聞の記事書いたら団塊の世代の抗議でつぶされた
- 令和の前半は団塊の世代の年金をまもるための20年になる
- 令和の社会保障改革はつぶされる
大体、こんなかんじだ~
3 part 2まとめ
- 現代日本社会は、学校歴でなく、学歴によって分断されている
- 若い大卒男性の幸福度は低いが、なぜかは分らない
- 壮年非大卒男性グループはほとんどポジティブなものがない
- 女性フリーターには専業主婦志向と早婚傾向がある
- 教育の本質は、社会を分断する、格差拡大装置
- 若い女性は、エロス資本をもつ、そして資本市場でそれを換金している
- 女性のエロス資本は、十代後半からの十年間で最大になり、それから徐々に減っていき、35歳をすぎるとほぼ消失する
- 女がもてる最大の要素は、若さ 男の場合は、金と権力
- 男は、女を獲得するために、激しい競争をする
- 男の性淘汰では、金と権力が、女にもてることと一致する
- 女に、もてる者と、もてない者に分裂するのは必然
- SNSなどの普及により、モテ、非モテの格差はますます拡大した
- ビジネスで成功できない、下級国民は会社共同体から排除され、さらには性愛からも排除される
- 男一般ではなく、非モテの男が差別されている
- 年収の低い男は結婚できない
- 一夫一妻は非モテ男に有利、一夫多妻はモテの男とすべての女性に有利
- 非モテの男は性愛から排除されることで人生をまるごと否定される
- 先進国で、非モテがテロをおこす
4 part 3に行く前に、用語解説
- リベラル =自由。 自由化とはリベラル化のこと。 自由主義者。自由主義。個人の自由や多様性を尊重する考え方。特定の思想、政治勢力。自由民主主義社会全体の原則。 「空想的平和主義」の別の呼び方。群集を動かすのに使われる意味のはっきりしない言葉の一つ。
- サイバーリバタリアン 超国家主義者。 小さな政府を好む人々。国家を超えた個人的、経済的自由をテクノロジーによって実現するという考え方の人々。多くがシリコンバレーにいる、投資家、起業家、エンジニア。すんげえ金持ち。
- ボボズ ヒッピー的ライフスタイルを取り入れた若い富裕層、ブルジョア・ボヘミアンの略。日本だと、カジュアルな格好で、IT系の会社とか、サイトを売って、資産家となって、セミリタイアしたり、エンジェル投資家になった人がこんなかんじかなと思う。
- エニウェア族 仕事があればどこにでも移動して生活できる人々。アドレスホッパーに似てる。日本と東南アジア行ったり来たりしてる、マナブ氏がこんな感じか。
【密着】フリーランスの一日!ブログで月300万稼ぐ男!マナブはどんな生活してるの?
マナブ氏こんな感じ。 まじかっこええ
- サムウェア族 中学高校卒業後、地元で就職、結婚して子供そだてる。個人の権利より地域社会の秩序を重視。宗教や伝統的な権威を尊重。
5 part 3まとめ
- 紀元前一万年前後の農業革命で人口爆発、18世紀なかばの産業革命で豊かさ爆発
- 産業革命は、テクノロジーの革命であり、知識の革命
- 1960年代に好きな職業をえらび、好きな相手と結婚し、自由に生きる時代へと変化
- その後、世界はリベラル化
- 能力主義はリベラル社会の本質
- 誰もが自己実現できるリベラルの理想社会は、究極の自己責任の社会
- 固定的組織・社会から流動的社会へと変化、そこから落ちこぼれていく人々
- グローバル化・テクノロジーの進化によって国境を越えて移動するヒト、モノ、カネ
- 知識社会化、リベラル化、グローバル化は三位一体の現象
- 米国・ボボズのライフスタイル世界中に広まる
- 白人のブルーワーカー・プアホワイトの絶望死
- 米国の低学歴層の白人の死亡・ドラッグ、アルコール、自殺、いわゆる絶望死
- ネットワークの拡大における格差の広がり、とてつもない富をもつ超富裕層
- グローバル化によって、数億人が貧困から脱出
- 繰り返しの単純作業者の現象と低賃金化、それによって中流から脱落する人々
- 知的でクリエイティブな仕事を少数の人々に対する富の集中
- 米国白人の場合の上級国民と下級国民の分断
- リベラル層よりさらに高学歴で所得の高いサイバーリバタリアン
- 米国、日本、恐らく世界中で分断すすむ、すべての社会が、 知識社会化・リベラル化・グローバル化の圧力を受けてるから
- 貧しい国の人々がおしよせることにより、裕福な国のベーシックインカムは破たんする
- お金は分配できても、女は分配できない
- シンギュラリティ(技術的特異点)により、知識社会は終わる。高学歴者より人工知能が勝るから
6 アマゾンレビュー では
5つ星のうち1.0対立させて世論を煽り、決め付けて反論を煽る
2019年8月4日
形式: 新書
いつもそうだが、この著者のレビューの評価は、5星から1星までバラバラだ。
また、腑に落ちる点もあるが、首を傾げる点もあるのが、この著者の著作の特徴だ。
これは、「もっとも売る」為に著者が考えた作戦だろう。
本書は、一億総中流とは、真逆である。対立させて世論を煽っている。
「平凡な本では、売れない」と著者にはわかっているからだ。
また決め付ける事で反論が来るのは、計算の内なのだ。
この著者の読者の掴み方は、こうだ。
主観的結論がまず頭の中にあり、その結論に沿うようなデータだけを並べるのだ。
裏付けがあるから正しいと、誤認してしまう読者がたくさんいるのだ。
どんな点が、首を傾げるかを確かめる為に読む読者もいる。
こうして著者の固定の読者となるのだ。
だが、エビデンスと言っても、単なるチェリーピッキングでしかない。
著者にとって大事なのは、正しいかどうかではなく、
「どう書いたら読者の関心を引き、販売部数が増えるか」なのだ。
この著者は、読者の為ではなく、自分のカネ儲けの為に本を書いているのだ。
「著述家だから、売る事を目的に書いて何が悪い」というだろう。
だが、自分のカネ儲けの為に、誤った言説で人の心を惑わすのは悪質だ。
336人のお客様がこれが役に立ったと考えています
2019年8月3日
形式: 新書
本の中心的なテーマじゃないんでしょうけど、開始2ページで飯塚幸三(池袋母子死亡事故)を養護するような文章があったので速攻捨てました。ワードが流布するきっかけになったであろう事件を、たった4行ぽっちでまとめてんのすげーなって
世間が思ってる「刑事罰受けないのどうなのよ?」っていう疑問に対しては、何一つ考察が書かれていません。この事件については前述の通り、4行くらいで終わってます
国と国民を幅広く見た時の、いわゆる格差的文化を考察する本なんでしょうけど、日本でその言葉が広まったきっかけの話題を持ち出して、ネットユーザーの語弊的認識だけを正して「彼ら(ネットユーザー)の認識は間違ってます」と断じてる論調、ぶっちゃけこの事件を養護してるようにしか見えないです
178人のお客様がこれが役に立ったと考えています
トップレビューは酷評気味だね。 評価の声もあるけど。
2019年8月3日
形式: 新書Amazonで購入
まえがきで、先進国のマジョリティが「上級国民/下級国民」に分断されている現象に対して、社会的に解決できない問題も、個人的に解決することが可能と述べられています。
あとがきで、その戦略として、①高度化する知識社会に最適化した人的資本を形成する戦略、
②「評価資本」をマネタイズしていく戦略を推奨されています。
これは橘玲さんが他の書籍で述べられている事でもあります。ここに書かれてあることを信じるなら、学校や政府、両親の言うことを鵜呑みにせず、若年から脳みそが汗をかくほど真剣に考え、自分の人生を都度軌道修正するということでしょうか。
本文は、「事実」を通して、お話を展開しています。私が、印象に残った個所として、
P71:「働き方改革」は、団塊の世代が現役を引退したことではじめて可能になった(改革はボスがいなくなってから進む典型だね)
P105:「すべての子どもが努力して勉強し、大学を目指すべきだ」という現在の教育制度が、学校や勉強に適応できない子どもたちを苦しめている(ドイツのようなマイスター制度が必要なのかな?)
P153:1960年代以降に「私の人生は私が自由に選択をする」という巨大な変化が起こった(道理で、祖父・両親と話が合わなかった訳だ。祖母は無条件で私の味方だったけどね)
P216:知識社会では、ひとびとは「知能」によって分断される(古き良き時代が無くなっていくことは寂しい限りではありますが、きっと異物として生きる息苦しさよりは、ましなんでしょう)
ところで、何でカバーが二重になっているんだろう?
39人のお客様がこれが役に立ったと考えています
ごめん、解決策、一応あったわ。
そうか~ 俺みたいなやつの取るべき戦略(希望)は
①高度化する知識社会に最適化した人的資本を形成する戦略
世の中の流れを読んで、メルカリとか、ユーチューブとか、ウーバーイーツとか、なんかそんなんで
稼ぎ力つけろつーことか。 なんか、起業家感覚みたいなの要求してくるなぁ。 俺、ゴミ派遣労働者なんですが
(>_<)
②「評価資本」をマネタイズしていく戦略を推奨されています。
SNSで有名になって、それで金つくれつーことか。 ハードル高いのう。
7 この本には書かれてなかったこと
- お金は分配できても、女は分配できない
異性がいなくてさびしいい?
そんな問題はだなぁ、
テクノロジーの進歩ですべて解決ですっ!
(`・ω・´)キリッ
なら、こういう産業は需要はあるよね~