※原作とは設定が異なっています。ご注意ください。
※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。



story.13:『その理由とは?』






ディビジョン・ラップ・バトルの後、倭愛結夢の案内で彼女と数回行ったことがあるチーズが美味しいbarへやって来た観音坂独歩たち麻天狼。

愛結夢がお店のオーナーに事情を話してくれたお陰で、愛結夢たち全員ジュースにしてもらい、愛結夢が声かけする。

愛結夢:「では、麻天狼の皆さん!ディビジョン・ラップ・バトルお疲れさまでした!乾杯!」

寂雷:「乾杯」

一二三:「乾杯!」

独歩:「乾杯…!」

そう言ってからジュースを一口。そしてある程度、チーズや他のおつまみでお腹が膨れた後、愛結夢はふと頭に過ったことを口にした。

愛結夢:「……それにしても、仄仄さん。どうして見逃してくれたんだろう。私、よほど利用価値無かったってことかな。」

独歩:「分からない…。分からないけど、アイツから興味が薄れてくれたのは不幸中の幸いだよ」

寂雷:「……独歩くんたちは気付いて無かったみたいだから今、言うんだけど。」

寂雷は先ほど会場の舞台裏の出来事を話し始めた。

寂雷:「私たちが会場を出る前、中王区の党員たちがある控え室に集まっていたんだ。」

一二三:「その控え室って……」

寂雷:「ああ…」

寂雷の口から出た言葉に独歩たちはドキッとする。

寂雷:「左馬刻くんたち、マッドトリガークルーの控え室だよ。」

愛結夢:「MTCって今回の優勝チームですよね。賞金なら舞台上で渡していたし、他に理由って……?」

愛結夢の問い掛けに、寂雷は浅く首を横に振りながら言った。

寂雷:「分からない…けれど、何か起きたことだけは分かる。
その何かの対処をするために、邪答院さんは今回、ヤマトさんを諦めざるを得なかったと、私は思っています。」

一二三:「ヤマトさんを諦めざるを得ないほどの理由を、MTCが関係していた…?」

独歩:「でもそのお陰でアユムは助かった。碧棺さんたちには感謝ですね。」

寂雷:「そうだね。落ち着いたら私から左馬刻くんに連絡して聞いてみるから、その前に"例の件"を片付けようか。」

愛結夢:「あ、あぁ…」

寂雷に言われて、愛結夢は思い出したように緊張する。
そんな愛結夢を心配そうに肩を抱いて支えた独歩は、愛結夢にこう言った。

独歩:「大丈夫。俺がアユムやアユムのお母さんたちを守るよ」

愛結夢:「あ、ありがとう……。
これからあの父親に会いに行くんだと思ったら、震えて来ちゃった……」

独歩:「だ、大丈夫、大丈夫……」

一二三:「ヤマトさん、大丈夫!
独歩くんがいれば、お父さんなんか怖くないよ!
ほら!僕がスーツを着て無敵になる原理でさ!」

寂雷:「ふふっ、頼もしいね。」

愛結夢:「あ、あはは…」

独歩:「俺にそこまでの効果があるかは微妙だけど、でもアユムを傷付けるようなまねはさせないよ…!」

愛結夢:「………ありがとう、独歩。頼もしくて惚れるぜ☆」

そう言って独歩にもたれ掛かる愛結夢を見て、一二三と寂雷がニコニコしている隣で独歩はドキドキしていた。

いつもの調子に戻りつつある愛結夢を見てホッとし、両想いにまでなって、独歩は今、幸せの絶頂にいるのではと思った。

独歩:「アユムを守れる強い男になるぞ…!」

一二三:「その意気だよ、独歩くん!」

寂雷:「独歩くんの成長………興味深い。」

愛結夢:「ふふふっ」

独歩の決意を聞いて、独歩以外の3人がニコニコする。
独歩の今後の成長に期待しつつ、愛結夢たちはオーナーさんも巻き込んでジュースで夜遅くまで飲み明かした。

ーーーーーーーーーーーーそれから数日後、愛結夢は独歩と一二三と共に、寂雷の自宅にお呼ばれされた。

仄仄がなぜ愛結夢を諦めたのか、その理由の大体が明らかになったので、食事会がてら話をしてくれることになったからだ。

愛結夢は独歩たちの家に招かれた時と同じようにケーキを手土産に寂雷の自宅に入るのだった。






------------To be Continued...