※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。



story.28:『朝食の時間』






長女・舞桜の妊娠発覚後、舞桜の夫・玲士の両親も佐伯家に呼んで、結衣の夫・哲と玲士の父親は翌日が休日ということもあり、朝まで呑み明かしていた。

先に部屋で休ませてもらっていた佐伯結衣と、一緒に泊まっていた玲士の母親は朝、目が覚めてから哲たちに毛布を掛けた。

結衣:「ふふふっ」

斉藤母:「まったく、浮かれちゃって。舞桜ちゃんママ、ごめんねぇ、夏来くんたち今日も仕事なのに……」

結衣:「ボクのことは気にしないで。それより、夏来と柊羽と玲士くんはもうそろそろ起きるもんね。パパたちはちょっと邪魔かもしれないけど、朝食を食べさせて仕事に行かせなきゃ!」

斉藤母:「そうですね!
私、夏来くんたちを見に行って来ますね。朝食の準備、任せていいですか?すぐに戻るので。」

結衣:「助かります!お願いします!」

結衣にそう言われてから、玲士の母親は2階で眠る子供たちを起こしに向かった。

その間に、結衣は冷蔵庫から卵とベーコンとレタス、プチトマトを用意した。

フライパンを棚から取り出し、コンロに置くと、火を掛け、油を適量、フライパンに流した。

そんな作業をしている間に、玲士の母親が戻って来て、息子たちより先に朝子や舞桜たちが2階から降りてきた。

夏来たちも降りてきて、寝ている哲たちに気を使いながら、用意された朝食を食べる。

朝の情報番組を眺めながら、黙々と食べる夏来たち。

女性アナ:「見てください!
こちらのお店のハンバーガー、美味しそう~♪」

テレビの中の女性アナウンサーの言葉に反応して、夏来が言った。

夏来:「あ、俺が働いてる店舗の近くにある店だ…」

柊羽:「本当?」

玲士:「食べたことあるんスか?」

夏来:「無いけど……。見てると、食べたくなるな。……っていうか!
『ガルバン』とコラボしてるし!!」

夏来のテンションが上がると、結衣が問い掛けた。

結衣:「昼食、ハンバーガーにする?」

夏来:「良いの!?」

結衣:「良いよ。お弁当は……お母さんが食べるから。」

夏来:「ありがとう!」

夏来はそう言ってから、ハイペースで朝食を平らげて、手を合わせた。

夏来:「ごちそうさま!」

夏来はそう言ってから、皿を重ねて台所に食器を運んだ。

それからすぐに鞄を持つ。

夏来:「行ってきます!」

結衣:「行ってらっしゃい」

朝子:「気を付けてね」

柊羽:「行ってらっしゃい!
……さて、俺もそろそろ行かなきゃ。」

そう言ってから、柊羽も「ごちそうさま」と言って、夏来と同じように食器を台所に運んでから出掛ける準備を始めた。

玲士:「! 俺ものんびりしてらんないな!もぐもぐ…!」

舞桜:「焦らないで。」

斉藤母:「でも急ぎなさい?
今日でしょう。試験の結果……」

結衣:「試験…?試験って、1級建築士の?」

舞桜:「うん!頑張った成果、出せてるといいね!」

玲士:「お、おう。……というか、母ちゃんも舞桜も、今の俺にプレッシャー懸けないでくれ……」

柊羽:「だよね~。じゃあ玲士くん、お先に。行ってきます!」

朝子:「行ってらっしゃい!」

出掛ける柊羽を玄関先まで見送るために朝子がついて行った。

それを見送ってから、玲士もようやく朝食を平らげて、「ごちそうさま!」と挨拶をしてから、出掛ける準備をする。

食器は舞桜が片付けた。

それを見た玲士の母親が一言。

斉藤母:「柊羽くんと夏来くんは自分で片したのに……」

玲士:「うっ……」

舞桜:「気にしてないですよ~」

結衣:「そうそう。それより、遅刻する方が……ね。」

玲士:「ありがとうございます!
行ってきます!」

舞桜:「行ってらっしゃ~い」

そう言って玲士が出て行こうとしたタイミングで、朝子と入れ代わった。

玲士が出て行ったのを見送ってから、ようやく結衣たちも朝食を頂くことにした。

女同士、ワイワイ楽しく朝食を摂っていると、哲と玲士の父親も起きたので、哲たちにも朝食を用意して、一緒に食べた。

それから午前中に、玲士の両親は佐伯家を後にした。

そして昼食を摂ってから、朝子が1人で夕飯の買い物へ出掛けようとする。

朝子:「では!行ってきます!」

哲:「俺、荷物持ちで一緒に行こうか?」

結衣:「そうしてもらいな?
朝子ちゃん1人じゃ大変だし、哲くんも家にいても何もすることないんだし。ねっ?」

朝子:「では……よろしくお願いします、お義父さん。」

哲:「任された!」

そう言ってから、朝子と哲は夕飯の買い物に出掛けて行き、佐伯家には妊婦である結衣と舞桜が残った。

結衣:「ボクたちはのんびりお茶を飲んで、テレビでも見てようか!」

舞桜:「賛成!」

結衣:「じゃあ!お茶の用意、するね~」

そう言って台所に立った結衣は、コップを2つ用意して、冷蔵庫から麦茶が入ったボトルを取り出した。

ボトルを台所に置いた時、結衣は急に痛みを感じた。

結衣:「痛っ……いたたた……」

舞桜:「ママ!?」

その場でしゃがみ込む結衣のもとへ舞桜が駆け寄ると、結衣は辛そうに笑みを浮かべながら言った。

結衣:「お腹、はってきた、みたい……っ。病院に連絡してくれる?あと、パパにも……」

舞桜:「分かった!ちょっと待ってね!」

そう言ってから舞桜は電話の子機を手に持って、病院と哲に連絡を入れた。

スーパーへ向かっている最中だった哲と朝子はUターンして、佐伯家に戻って来て、結衣を車の後部座席に乗せて病院へ向かったのだった。






------------To be Continued...