※原作とは設定が異なっています。ご注意ください。
※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。


story.7:『失踪』






ーーーーーーーーーーーー倭愛結夢が突然、会社に休職届を出し、会社を休んでしまった。

観音坂独歩は昨晩の愛結夢の言葉が脳裏に過り、その日は仕事を早めに済まし、急いで愛結夢の住むアパートへ向かった。

玄関前まで着くと、独歩はすぐさまインターホンを押すが、反応が無い。

その場で電話を鳴らした時、部屋の中から電話の音がした。

独歩:「ヤマト!?俺だ、観音坂独歩だ!」

電話の音は独歩が持っていたスマホの着信音が切れたと同時に、部屋の中の着信音も切れた。

間違いない。愛結夢は部屋の中にいる。

独歩:「ヤマト……もしかして昨日のことを気にしてるのか?
べ、別にやましい意味で言ったんじゃないぞ?
俺は純粋に、ヤマトを支えたかったから……」

独歩がそう言うと、ドアの向こうから返答があった。

愛結夢:「分かってるよ…」

独歩:「ヤマト…!」

愛結夢:「"だから"なの……」

愛結夢は声を震わせながらこう言った。

愛結夢:「独歩がすごく、良い人だったから。私、独歩の傍にいるのが、申し訳なくなっちゃった……」

独歩:「……やっぱり、それって男性恐怖症を引き摺ってるってことか?」

愛結夢:「そうかもしれないし………違うとも思うの……」

独歩:「どういうことだ?」

独歩が玄関ドアに手を触れながら話に耳を傾けると、愛結夢は玄関内でこう言った。

愛結夢:「……ごめん、まだそれを言う勇気が無いの。
言ったら絶対に独歩に嫌われちゃう…っ」

独歩:「嫌わないよ…!
少なくとも、俺のためを思って言うのを躊躇っていることは分かる。今すぐじゃなくていい。
落ち着いてからでいい。
また会いに行くから、その時にでも教えてくれ。」

愛結夢:「………。」

玄関の向こう側から鼻を啜る音がした時、愛結夢が口を開く。

愛結夢:「……独歩、優しすぎるよ。」

独歩:「ヤマト……」

愛結夢:「嫌われたくないよ…っ、ごめん、もう帰って…っ……でないと、私、独歩のこと、傷付けちゃうかも……っ」

独歩:「俺は傷付けられても構わない!」

愛結夢:「…っ」

今の独歩には羞恥心は無かった。

独歩:「好きだ、ヤマト…!」

愛結夢:「独歩…っ」

独歩:「俺はヤマトのことが……アユムのことが好きだ!」

愛結夢:「っ…」

独歩:「アユムのことは俺が全力で支える。アユムの口からどんな言葉が出ても嫌ったりしない!絶対に!」

愛結夢:「…っ、独歩、ごめん、もう帰って……」

愛結夢はそう言うと、玄関から離れて行く。

独歩:「アユム!明日も来るから!変な気は起こすなよ!」

独歩はそう伝えたが、愛結夢からの返答は無かった。

そして独歩は仕方なくその場を後にする。

愛結夢が何に恐れているのかは分からない。
だが、独歩に嫌われてしまうことを恐れていた。

何か、独歩に関係することで悩んでいることは確かだった。

そして翌日、仕事終わりに愛結夢の部屋の前に行ったら、住民から「倭さんは今日急遽引っ越してしまいましたよ」と言う話を聞いてしまった。

独歩は愕然としてしまう。
もっと早く愛結夢のもとへ駆け付けていれば……、そう思いながら独歩が向かったのは、ホストクラブ『フレグランス』だった。







------------To be Continued...