※原作とは設定が異なっています。ご注意ください。
※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。



story.18:『まさかの展開』






倭愛結夢の自宅で晩ごはんをご馳走になってから、自宅に帰った観音坂独歩はその日、なんとか眠りに付き、翌日に出勤した。

出勤した時、愛結夢に協力してもらい、独歩はコンプライアンスに昨日のことを連絡する。

そして午後、昨日独歩に仕事を押し付けて帰った同僚たちがコンプライアンス担当の女性に呼び出される。

独歩は時計をちらほら見ながらパソコン作業をしていたが、それから1時間後、営業課がざわめき始めた。

独歩:「?」

ざわめき出した周囲に気が付き、顔を上げると、独歩は思わずギョッとした。

だが、そんな独歩以上にギョッとしていた人物がいた。

課長:「せ、専務!?」

課長が自分のデスクから立ち上がり、パッと行動し出す。

そう、営業課にやって来たのは、この会社の専務と、コンプライアンス担当の女性、そして同僚たちだった。

同僚たちは真っ青な顔をしていたが、その理由はコンプライアンス担当の女性から語られる。

女性:「課長さん。以前にも、こちらにパワハラの一件が報告されたことは覚えていますよね?」

課長:「は、はい…」

女性:「今回もこの営業課にパワハラの報告がありました………"7件"も。」

課長:「な、7件!?」

コンプライアンス担当の女性の口から出た言葉を聞いて、独歩は驚いた。

そして離れたデスクにいた愛結夢の方を見る。
愛結夢も驚いていた。

だってコンプライアンスに報告したのは、独歩と愛結夢だけだと思っていた。
独歩と愛結夢以外にあと5人の人物がコンプライアンスにパワハラの報告をしていたことに、独歩はただただ驚くしかなかった。

そして独歩が驚いていると、コンプライアンス担当の女性はこう言った。

女性:「昨日、この2人がある男性社員に業務を押し付けている動画を証拠として提出してくださった方がいます。
後で課長さんにもお見せしますが、先に見させて頂いた私から言わせて頂くと、非常に悪質です。
もっと言えば、報告してくださった方々いわく、"給料泥棒"……と言われても仕方がありません。」

課長:「左様、ですか……」

女性:「なので、報告があったと同時に今回は専務にも同席して頂きました。そしてその場で、この2人には半年間の減給処分を言い渡しました。」

課長:「なるほど……。分かりました、その方向で報告書を作成させて頂きまーーーーーーーーーーーー」

専務:「あとねぇ」

コンプライアンス担当の女性が話した後で、専務が淡々とこう言った。

専務:「君も減給処分ね。」

課長:「……えぇぇぇえええっ!?
な、なぜ私まで!?」

女性:「報告によると、課長さん。
あなたも定時ギリギリで仕事を押し付けて帰ったことがあるようですね。……しかも昨日も、その男性社員がこの2人に仕事を押し付けているところ、見てましたよね?」

課長:「ど、どうだったかなぁ…?
私も忙しくって……」

課長がとぼけようとした時、1人の体格の良い強面な男性社員が立ち上がり、こう言った。

男性社員:「見てましたよね!
ここにいる全員が公然と仕事を押し付けられている様子を見ているんです!課長が見えてないわけがありません!」

女性社員:「そ、そうですよ!」

課長:「うぅっ…」

専務:「…と、のことだが?」

課長:「す、すみません……。見ていました……」

課長が白状すると、専務とコンプライアンス担当の女性は互いを見合ってから言った。

女性:「処分は改めて言い渡しますが、先ずは課長さんにも動画を見て頂きたいので、会議室をお借りしても宜しいでしょうか?
あなたたちも一緒に来てください!」

同僚:「は、はい…」

同僚:「………。」

課長:「ご、ご案内致します…!」

そう言って課長を先導に、専務とコンプライアンス担当の女性、そして同僚たちは空きの会議室へ入っていった。

独歩:「………。」

嵐が去ったかのような展開に、独歩が呆気に取られていた時、声を上げてくれた男性社員が独歩に声を掛けてきた。

男性社員:「観音坂…。すぐに行動出来なくてすまなかったな。
俺、家庭があるからさ。なかなか勇気が出なくて……」

女性社員:「私も…。観音坂さんが仕事押し付けられてるの、見てることしか出来なくて…。
でもこのままじゃあダメだと思って、周りに協力してもらって動画を撮ってたの……」

女性社員:「勝手にごめんなさい…」

独歩:「え?い、いや!こちらこそ、知らないところで動いてくださっていたようですみまーーーーーーーーーーーーあ、いや。ありがとう、ございます……」

独歩はパッと立ち上がると、その場で頭を下げた。

すると、独歩の隣のデスクの男性社員が独歩の肩にポンッと手を置いてから言った。

男性社員:「観音坂はあの麻天狼のメンバーだからな!
次のラップバトルも、期待してんだぜ!」

女性社員:「頑張って!」

独歩:「あ、ありがとうございます!皆さんのお陰で、仕事がやり易くなりそうです…!」

愛結夢:「その調子!」

独歩:「ヤマト…!」

いつの間にか目の前まで来ていた愛結夢を見て、独歩は改めてホッとする。

自分のことをこんなふうに応援してくれているのが愛結夢以外にいたのだと言うことに、独歩は感動しながら、課長たちが戻ってきたタイミングで仕事を再開した。

その後、本格的に課長と同僚たちは減給処分となった。
課長と同僚たちは最初こそ、独歩たちを睨んでいたが、そこは大人。

課長と同僚たち以外の社員たちは毅然とした大人な対応をし、仕事を終わらせて帰る支度をする。

その際、社員たちに誘われ、独歩と愛結夢は初めて会社仲間たちと居酒屋で呑むことに。

楽しくお酒を呑み、愛結夢たちと別れ、自宅マンションに帰ってきた独歩は、コップに水を注ぎ、ソファーに腰を降ろす。

そして水を飲みながら、ふとまた愛結夢のことを思い出したのだった。






------------To be Continued...