※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。
story.16:『子供のこと』
結婚式から半年が過ぎた10月下旬。
旧姓波野から、佐伯となった朝子はマンションで柊羽と2人で新婚生活を送っていた。
現在、夜20時過ぎーーーーーーーーーーーーそんな朝子たちの新居に一本の電話が掛かってきていた。
朝子:「もしもし、お爺ちゃん?」
相手は、朝子の祖父だった。
朝子は疲れたような顔をしながら、祖父の相手をする。
朝子:「……もう、出来たら連絡するって言ってるじゃない」
『そうは言っても、結婚式から半年経っとるだろう?』
電話の向こうの祖父の言葉に、朝子はこう言った。
朝子:「まだ半年でしょう?
私たちだって忙しいし、タイミングっていうのがあるのよ……」
『忙しいって……。だからお前は子供が出来るまで休職しろと言っているだろう』
朝子:「私だけが休職したところで、柊羽くんが忙しいんだから意味ないわよ」
朝子は呆れたようにそう言ってから、祖父に言った。
朝子:「とにかく!今すぐはムリだから。曾孫のことは待って。
……まったく、お父さんやあちらの義両親だって催促しないのに」
『ワシは明日死ぬかもしれんのだぞ!?』
朝子:「脅さないで!
っていうか、分からないの?
お爺ちゃんの曾孫催促がストレスになってるの。ストレス溜めると子供は出来ないんだよ?
とにかくこっちが連絡するまで連絡して来ないで!ウザい!!」
『ちょっ……あさ…!』
ガチャリッ
朝子はそう言ってから、強く受話器を親機に叩き付け、通話を切った。
朝子:「はぁ~~~」
柊羽:「ただいま…」
朝子:「!? お、おかえりなさい」
大きなため息を付いていた時、柊羽の声かけで彼が帰ってきたことに気が付いた。
そして、柊羽は困ったように笑いながら言った。
柊羽:「曾孫の顔、見たいって?」
朝子:「……そうなの。」
柊羽にそう声を掛けられてから、クローゼットへ向かう柊羽に付いて歩く朝子。
そして、スーツから部屋着に着替えようとする柊羽が言った。
柊羽:「俺たちも子供欲しいから……頑張ってはいるんだけどね。」
朝子:「お爺ちゃんは昔の人なのよ。すぐ出来ると思ってる……。
私たちだって何もしてないわけじゃないのに……」
朝子がぶすっとしている顔を見て、柊羽は優しく朝子の頭をポンッと撫でながら言った。
柊羽:「そうだね。……とはいえ、俺たち結構頑張ってるのに子供が出来ないって、ちょっと気になるよね。」
柊羽はそう言ってから、「うーん…」と考えながら言った。
柊羽:「……俺に原因があるのかもしれないし、お互いの休みが重なったら産婦人科、行かない?」
朝子:「柊羽くん……。
違うよ、私に原因があるのかも。
明日……は、出勤なんだよね?」
柊羽:「うん。すぐに行けなくて、ごめんね?」
朝子:「柊羽くん、謝らないで。
むしろうちのお爺ちゃんの催促のせいでプレッシャー懸けちゃって申し訳ないくらいなのに。」
柊羽:「それは気にしてない、と言えば嘘になるけど……。俺だって、朝子ちゃんとの子供、早く欲しいしさ!」
朝子:「柊羽くん……」
ジーン、としながら感動する朝子を優しく見守る柊羽。
その後、柊羽の着替えが済んでから2人は夕食を始めた。
それから1週間後、互いの休日が重なった日に柊羽と朝子は近所の大きな病院の産婦人科へ行った。
検査を受けて、1週間後。
お互いの休日が重なった頃に検査結果を聞きに病院へ行くと、医師からこんな話を聞いた。
医師:「検査検査、ですがーーーーーーーーーーーー」
医師はそう話を切り出してからこう言った。
医師:「お2人とも、子供が出来にくいようです。……ですが、決して絶対に出来ないわけでもないのですが……。今後、どう致しましょう?」
朝子:「そんな……」
柊羽:「………………。」
医師からそう言われたその日、柊羽は朝子と共に久しぶりに実家へ帰ったのだった。
------------To be Continued...