※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。



story.4:『入社式』






4月2日ーーーーーーーーーーーー入社式当日。早起きして、準備して、必要なものを持参し、佐伯夏来は家族や近所に住む三田家族や斉宮家族に見送られて、横浜市へ向かった。

入社式が行われる市民会館へ到着すると、既に大勢の新入社員がいた。

事前に貰っていた出席番号が書かれた紙を見せると、会場にいた社員が名札を渡してくれる。

そこには、『くまざき本舗アモレ川崎店  正社員  佐伯夏来』と書かれていた。

夏来:(あ、やっぱり)

研修先の店舗の名前が書いてあり、夏来は納得しながら名札と一緒に貰ったネームホルダーに名札を入れて、首から提げた。

会場入りしてから、指定された席を見付けて、夏来は席に座る。

そして会場を見渡してからなんとなく隣を見た時、隣の席に座っていた体の大きな、太った男性と目が合った。

?:「!  ど、どうも…」

夏来:「どうも……って、あ!」

夏来はある事に気付いた。
男性の名札には自分と同じ店舗の名前が書いてある。

こんな体の大きな人、見掛けてたら絶対に覚えているはずだが、研修中には見たことがない。

夏来:「えーと、朝倉……なな……」

?:「あ、朝倉七音(あさくら・なおと)です……」

夏来:「七音さん。なるほど。
あ、俺は佐伯夏来です。同じ店舗ですね、よろしくお願いします」

七音:「よ、よろしくお願いします。あの、僕……研修の時、別の店舗だったので場所が分からなくて……」

夏来:「あ、やっぱり。俺、研修先も川崎だったので案内出来ますよ。…………それと、」

七音:「!」

夏来は、七音の鞄に付いているキーホルダーを指差して言った。

夏来:「これ、『ガルバン』の凜子ちゃんだよね。俺、『ガルバン』好きなんだ。ちなみにレイチェル推し。川崎にアニメートあるからそこも案内出来ますよ」

七音:「『ガルバン』知ってる人と合ったの、初めて……」

夏来:「本当に?じゃあオタク同士、これから仲良くしよ。
川崎のアニメートは『ガルバン』のグッズいっぱいありますよ~」

七音:「あ、ありがとう…」

七音が緊張しながらそう言うと、夏来はぐいぐい詰め寄った。

夏来:「今日の帰りにアニメート案内するね。あ、タメ口でいい?
というか歳いくつ?俺、今年の誕生日が来たら19歳。」

七音:「お、同い年です…。タメ口、オッケーですっ」

夏来:「良かったぁ……。丁寧語って苦手なんだよね…」

七音:「ぼ、僕も…」

夏来:「そうなの?七音……あ、呼び捨てでいい?」

七音:「オッケーです…」

夏来:「ありがとう。七音も俺に対してタメ口で全然オッケーだからね。」

七音:「あ、ありがとう…」

そんな会話をしてから、夏来は思い付いて七音に聞いた。

夏来:「『ジャズダンス』って知ってる?俺、大好きなんだ。
今度、『ガルバン』と『ジャズダンス』がアニメートカフェでコラボするんだけど、行く予定ある?」

七音:「じ、ジャズダンは知ってるけど、僕は美少女作品派で……。
アニメートカフェは……興味あるけど、行ったことなくて……」

夏来:「本当に?一緒に行こうよ。
アニメートカフェじゃないと買えないグッズもあるし、俺のオタ友紹介するよ~」

七音:「い、いいの?」

夏来:「もちろん!『ガルバン』好きな子がその子しかいなくて、元々は2人で行く予定だったんだけど、アニメートカフェは4人まで予約出来るから。
抽選当たったら報告するから、ライン交換しない?」

七音:「あ、わ、分かった……」

ぐいぐい来る夏来に圧倒されながら、ケータイを鞄から取り出し、ライン交換をする七音。

実は七音にとって、夏来は人生初の友達になるのだが、その話はまた別の物語でーーーーーーーーーーーーと、言うがこの物語はまだ終わらない。

夏来と七音はラインを交換すると、夏来は早速、アニメートカフェの公式ページを開き、4人分の席の抽選に応募した。

夏来:「抽選結果、来週分かるよ。
あ、今回がダメでも再来週、夕方枠で2回行く予定だから。
1回は別の友達と行く約束してるから、2回目の時、2人で行こうか。」

七音:「な、なんか、ごめんね…?」

夏来:「何で謝ってんの?
誘ってるのは俺だから、しつこいと思ったら全然断ってくれてもいいからね。」

七音:「しつこいだなんて…!
よ、よろしく。な、夏来くん…」

夏来:「!……よろしく、七音。」

そんな会話をしていたら、ブーという音が会場に響き渡り、いよいよ入社式が始まった。

入社式は1時間で終わり、夏来は案内がてら七音と共に川崎駅へ向かうことに。

そして着いてから、夏来と七音は制服のエプロンを身に付け、挨拶も早々に早速、働くことになった。

それからあっという間に19時過ぎになり、夏来と七音はようやく解放され、約束通り夏来は七音を川崎のアニメートへ案内した。

アニメートに2時間も滞在してから、ようやく家路へ帰るため、夏来と七音は同じ電車に乗り、夏来は武蔵小杉駅で途中下車して別れた。

帰ってから、アニメートで買ってきた戦利品を見せながら夏来も、七音も、家族に友達が出来たことを話すのだった。






------------To be Continued...