※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。






story.28:『寂しい予感』







婚約者の斉藤玲士と、幼なじみたち、その友達と婚約者と共に遊園地デートへやって来た佐伯舞桜。

舞桜と飯田志音以外の皆がジェットコースターへ乗ってきた後、夏来のため、夏来の好きなアニメ『ガルバン』とコラボしてる乗り物を順番に回ってきた。

そして13時前になって、ようやく昼食を摂ることにした。

昼食のハンバーガーセットをテーブルの上に置いてから、舞桜は持ってきたヘアーゴムをバックから取り出した。

皆から貰った『ガルバン』の絵柄が描かれた紙製のランチョンマットを重ねてくるくると畳んでから、ヘアーゴムで留めた。

舞桜:「ふぅ…」

玲士:「そんだけあれば、夏来お兄さんも満足だろう!」

凛:「夏来にぃの好きキャラいた?」

舞桜:「いたいた、2つ!
夏来にぃ、喜ぶよ。協力してくれてありがとう、みんな!」

美留姫:「あとは帰りに忘れないように、缶バッジとアクスタを買うだけか。世話の焼けるおにいだね~」

志音:「夏来お兄さんはフリーだもんね。この子たちが恋人みたいなものかな?」

舞桜:「そうかも?……って、あ、そういえば!」

舞桜は思い出したように、こう言った。

舞桜:「今日、夏来にぃ、14社目の合否の結果が出るんだよね。
夏来にぃ、そろそろ良い結果出ないかな?」

玲士:「……就職って大変なんだな」

凛:「大変そうだよね~?
だって就職のために何回も履歴書を書いたり、証明写真撮ったり、スーツまで買ったんでしょ?
それで13社も落ちる……とか、私なら挫折しちゃうんだけど!」

志音:「僕も……。夏来お兄さんはメンタル強いね?」

志音がそう言うと、舞桜は少し困ったように考えながら言った。

舞桜:「……そうでもないよ。
片っ端から本屋さんの面接受けてるけど、全然受からなくて。
顔には出さないけど、相当参ってる……。
県内じゃ受からないからって、都内の本屋さんの面接まで受けに行ってるもの……」

志音:「大変だね……」

舞桜の話に、志音たちが同調していると、舞桜はこう続けた。

舞桜:「やっぱり高卒だと難しいのかな……?」

みさき:「そうなの…?だとしたら、私、大学行こうかな……」

山口:「行かないつもりだったの?」

みさき:「迷ってたの。
お母さんに、私は女だからムリして学歴付けなくても大丈夫よって言われてるけど……。この先の生活とか考えたら、正社員の方が得でしょう?」

高崎:「確かに……」

美留姫:「うわー……やだな、私たちまだ高1だよ?就職のこと、まだ考えたくないよ~!」

舞桜:「だね」

志音:「……?」

志音がふとある事に気が付いて、舞桜に聞いた。

志音:「ねぇ、今日分かる合否の就職先って県内なの?それとも都内?」

舞桜:「一応、県内だけど?」

志音:「一応ってことは、遠いの?」

舞桜:「そうみたい?でも何で?」

志音:「あ、えっと……」

玲士:「?」

志音は少し言いにくそうに、こう言った。

志音:「ということは、就職先が決まったら夏来お兄さん、一人暮らしを始めるのかなぁ…って、思ったんだ。遠いと実家からじゃあ通えないでしょう?」

舞桜:「あっ…」

凛:「えー!夏来にぃと会えなくなるの!?」

美留姫:「それは寂しい……」

玲士:「舞桜……」

舞桜:「……………。」

志音の話を聞いて、舞桜は落ち込むが、すぐに弱い笑みを浮かべながら言った。

舞桜:「……しょうがないよね。
夏来にぃが好きな仕事が出来る方が先決だもん。
どんな形になっても、応援するよ私……」

美留姫:「舞桜……」

凛:「でも、そう願うしかないよね」

みさき:「私は夏来さんに会ったことないけど、夏来さん、皆に慕われてるんだね!」

みさきからそう言われて、舞桜は明るく「うん!」と返事をした。

それから気を取り直して、昼食を摂った舞桜たちは、夕方になるまで遊園地で遊んだ。

帰り、遊園地の中にあるショップで、夏来に頼まれていたトレーディングの缶バッジとアクスタを5個ずつ……プラスしてもう1つずつ買ってから、舞桜たちは家路へ向かうことにしたのだった。






------------To be Continued...