※登場人物が多くて混乱するかもしれません。
※小説と題してますが、長編の脚本と思って読んだ方が良いかもしれません。
※下手な文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると、幸いです。
story.25:『初めての……』
パンパンッパパパンッ!
佐伯柊羽は自宅に帰ってきて早々に、音に驚かされた。
柊羽:「………!?」
リビングに入った瞬間、部屋の中にいた家族と、友人たち、そして波野朝子がクラッカーを鳴らし、出迎えてきたーーーーーーーーーーーーそして、全員が一斉に柊羽に言った。
「「柊羽(くん)、20才の誕生日おめでとうー!!」」
柊羽:「あ、あぁ…!」
そう言われてようやく柊羽は状況を理解することが出来た。
柊羽が納得していると、三田和良が抱き付いてきた。
和良:「柊羽~🖤」
黄熊:「ベル、朝子ちゃん差し置いて柊羽に抱き付くな!」
朝子:「私のことは気にしないで~」
柊羽:「ふふっ。みんな、ありがとう!」
哲:「柊羽、こっちおいで!」
哲に促されるまま、柊羽は和良たちと一緒にテーブルの前に座った。
そして柊羽の前にあったコップに、甘いお酒が注がれる。
哲:「柊羽がやっとハタチになったから、これでようやくベルたちも一緒にお酒が飲めるね~♪」
和夫:「最初のステップはサワーで乾杯ね?」
尚哉:「イケそうならビールも飲んでみよう♪」
和良:「そうだね。最初にビール飲んだらトラウマになりそうだもんね…」
黄熊:「それはベルの話だろう?
……けど、苦いのがダメな奴はムリかもな?」
柊羽:「……ビールって、コーヒーより苦いの?」
和良:「俺はそう思ってるよ…」
朝子:「まぁ、物は試しにサワーから飲んでみて!
ビールが飲めそうなら今度、お爺ちゃんが一緒に飲みたいって言ってたよ!」
波野父:「あ、でもムリはしなくてもいいからね。」
柊羽:「じゃあ先ずは甘いお酒を……頂きます!」
柊羽が飲もうとした時、哲が自分のコップを掲げて言った。
哲:「柊羽の誕生日を祝して、乾杯!」
「乾杯!!」と周りが声を上げて、コップを重ねてから先ずは一口。
柊羽:「………。」
結衣:「……どう、柊羽?」
鳴海:「飲めそう?」
一緒に乾杯をした母親たちと父親たちが様子を伺うと、柊羽は首を捻りながらこう言った。
柊羽:「……うん、飲めるよ。
ふわっとお酒の香りもして、美味しいと思う、かな?」
夏来:「……好んで飲むことはない感じ?」
柊羽:「そうだね。今のところ、コーヒーの方が好きかな。」
哲:「苦いコーヒーが飲めるならビールも飲めるはず!」
結衣:「お母さんが口付けたのだけど、試しに飲んでみる?
飲めそうなら柊羽のコップが空になったら注いであげる!」
柊羽:「うん……」
和良:「柊羽……ムリしないで。」
柊羽:「ありがとう、ベル。
じゃあお母さんの一口、貰うね」
そう言って、結衣のコップに入ったビールを一口頂くことにした柊羽…………感想は?
柊羽:「……うん、大丈夫。飲めるよ」
哲:「……やったあああぁぁぁ!!」
結衣:「ふふっ。柊羽、これから毎日お父さんのお酒の相手させられるよ」
柊羽:「大丈夫だよ。よろしくね、お父さん!」
哲:「こちらこそ!ほら!今日は柊羽の誕生日だから奮発して馬刺し買ってきたんだよ~!
あ、寿司やピザも食べていいからねー!」
柊羽:「頂きまぁす!」
柊羽が明るく挨拶してから、朝子の父親が笑顔でこう言った。
波野父:「柊羽くんが飲める口で良かった。うちの父、柊羽くんと飲めるの本当に楽しみにしてるから!」
朝子:「っていうお父さんも楽しみにしてたでしょう?」
波野妹:「息子が出来たら一緒にお酒を飲むのが夢だって言ってたもんね」
柊羽:「息子……」
柊羽がそう口にすると、朝子の父親は柊羽に言った。
波野父:「そうだよ。柊羽くんはもう僕の息子なんだよ。
朝子の祖父母にとっては孫でもある。……だから一緒にお酒を飲んだりするの、ずっと楽しみにしてたんだ!」
柊羽:「朝子ちゃんのお父さん…」
柊羽はじーん、と感激している。
そんな柊羽をホッとした表情で結衣は見守っていた。
柊羽も朝子も、まだ大学生だから先の話になるけど、早くて5年後には結婚するのかな。
結衣:(互いの家族仲も良いし、何の心配もなく結婚出来そう!)
結婚したらきっと柊羽はこの家を出ることになるだろう。
それは少し寂しい気もするけど、朝子と結婚したら5年後には結衣たちも孫の顔が見れたりするのだろうか。
結衣:(楽しみだなぁ)
結衣がニコニコ顔で柊羽を見ていたら、柊羽は思い出したように朝子に話し掛けた。
柊羽:「そういえば、朝子ちゃん。
明日の講義、予定通り一緒に出席出来るよね?」
朝子:「もちろん!」
和良:「何の講義?」
和良がそう聞くと、柊羽が説明してくれた。
柊羽:「明日ね、文学部の日本歴史研究所の教授である、バーナビー・ロビンソン先生の講義に出席することになったんだ!」
黄熊:「バーナビー・ロビンソン……って、『世界一受けたいレッスン』って番組に講師として出演する人だろ?俺でも知ってるよ!」
和良:「教育学部所属の柊羽も講義、受けられるんだ……」
柊羽:「特別講義だからね!」
舞桜:「バーナビー・ロビンソン教授って、子供も有名だよね。
あの人、選択的シングルファザーなのに子供が6人いて、6人ともそれぞれのジャンルで活躍してる……」
凛:「マジ?」
志音:「マジ。アイドルの爽とか、フィギュアスケート選手の潔とか、将棋棋士の廉とか……」
美留姫:「名前上がった人みんな、ロビンソン……!」
佐知子:「すごいよね、バーナビー・ロビンソン。教育パパとしても有名でしょう?
本人は子供たちのやりたいことを全力で応援してるだけって言ってたけど……」
凪子:「だからって、子供6人もそれぞれやりたい事……莫大なお金掛かるでしょう?
大学教授って稼げるんだね~?」
祐希奈:「バーナビー・ロビンソンの息子たちってあと、漫画家と陸上選手と小説家だっけ?すごいよね~!」
結衣:「そんなすごい人の講義……真剣に聞かなきゃね!」
柊羽:「そうだね。今からすごく楽しみだよ!」
朝子:「私も!ロビンソン教授の講義、滅多に受けられないしね!」
柊羽と朝子は顔を合わせて笑い合った。
仲の良い2人の様子を見て、結衣と哲は朝子の父親と顔を合わせて微笑んだ。
それから柊羽の誕生日は、翌日も大事な講義があるということで切りのいいところでお開きとなった。
波野家族は佐伯家でお泊まりすることになり、翌日。柊羽は朝子と2人で仲良く大学へ向かうのだった。
------------To be Continued...