二学期の保育参観は、三日間・規定の時間(9:30~12:30)内ならいつ来ても可、という、自由度の高いものだった。但し毎日来たり、居続けはダメだという。基本は一回、一時間半。
三日間のうち、どの日にどんな保育をするのかは事前にプリントをいただいた。どれも面白そうで、その中で息子がどんなことをするのかぜひ見たいけれど、選べるのは一つ。
というわけで、選んだのは初日のお相撲の時間。体育着に着替えて、ホールで行われるとのこと。お教室の保育は以前一学期に見学しているので、こちらにしてみた。

一旦息子を幼稚園へ送り、帰って家事を片づけ、荷物を整えて再度幼稚園へ。
真っ先に三階にあるホールを覗いたら空っぽだった。まだお教室にいるらしい。
教室の外から見てみると(教室は廊下側の壁一面ガラス張り)、子ども達はまだ制服から体育着に着替えている途中で、先に着替えた子から好きな遊びをしていた。息子が見えないので探すと、床に直接座り込んで絵本を読んでいた。見えないはずだ。
テーブルに座った子は粘土、男子はブロックをしてる子が多い。ベランダに出ている子もいる。
息子の居るクラスの特徴は、とにかく元気が良い。隣にある同じ年少のクラスは、参観のお母さん達が来ても教室の中から見ているだけ。しかし息子のクラスの子達はお母さん達の姿を認めると「○○くんのママだ!」「こんにちわ」「この前何処々々であったよね」などと気軽に話しかけてきて、ポロポロ廊下から飛び出していく。その都度回収に来る先生方はご苦労が絶えない。

全員の着替えが済んで、集団で一回トイレに向かう。先にトイレが終わった子が、まだの子をそばで待つのだが、待ってる間息子は仲良しのお友達とハグし合ってた……相手の子が嫌がらず、抱きしめ返してくれてて良かった……
そしてそれから朝のご挨拶、とやっている間に、既に十一時が近い。九時半から来てるお母さんは、基本目安の一時間半が迫っているが、お相撲はまだ始まらない。
ホールに上がり、まずは体操、そして平均台を使って体を充分に動かしてからやっとお相撲。
結局朝一で来てたお母さんも、帰る人はほとんどおらず、かなりの大人数でお相撲を見学させてもらった。
男子チームと女子チームに分かれ、四角く敷かれたマットの上が土俵代わり。がぶり寄るのではなく、手のひら同士を組み合わせ、押し合いっこする。
息子はあっさり女の子に負けてた…… といっても、押し負けたのではなく、バランスを崩して膝を突いてしまった。力比べで決着が付く子よりも、どっちかがこけて、というパターンの方が多かったみたい。
この年頃の子達はまだまだ男女の力が拮抗していて、かなり時間をかけたものの決着の付かない子も多かった。引き分けを先生に宣告され、悔し涙を流す女の子もいた。素晴らしいファイティングスピリット。うちの息子にはそれがないなぁ。

息子のクラスに、私が注目している子がいる。Kくんという彼は、同じクラスの他の男子より確実に頭一つ以上でかい。体格も良く、骨が丈夫そうな体つき。当然力も強いがそれを笠に着て威張ったり弱いものをいじめたりという様子は全くない。そしてまた面倒見が良く、遊びのリーダー格になってることがしばしばある。うちの子も良く遊んでもらっているようだ。ガキ大将、というよりも、御大将としての風格を既に備えたような少年なのである。
そんな彼が女の子と相撲を取るわけで、勝負は見えていたが、彼の勝ち方がまた面白かった。ぐっと一気に突き飛ばすのではなく、細かく短い距離を、しかし確実に相手の女の子を押しだし、無事にマットの外まで導いた。そばにいたお母さん方と「Kくんすごい!」「かっこいい!」と絶賛。

最後にお昼。この日は給食で、一人の先生が子ども達をトイレに連れて行き、その隙にもう一人の先生が机や椅子の整理と配膳。た、大変……!
子ども達は体育着の上にスモックを着て、みんな揃っていただきます。メニューの中に可愛い豚さんのお顔のかまぼこが入ってて、ほとんどの子がそれを真っ先に食べる。やっぱりちょっとデコるって大事だな、と実感。

ある程度食べ勧めるのを見届け、お母さん達が徐々に帰り始める。しかしどの子も、お母さんが帰っていくのに寂しがりもせずに手を振っている。
「普通ここで泣くんですけどねえ……」とは先生のお言葉。

総じて、息子のクラスの子は元気が良くってサバサバしてるな、と感じた。
うん、良いことだ。