sideユウジ
俺は数分前の出来事を謙也に話す。
始まりは、俺が小春を探していたときやった。
一緒に部活に行こうと誘うも、それは断られてしまった。
その後、小春は教室を出ていったので後をつけてみたんや。
すると着いたのは、3-2で中には白石と小春がおってん。
「それだけか?」
「ちゃうわ!その後が重要や」
コッソリ話を聞いてみることにしてみてん。
2人はなんか楽しそうやねん。
「小春、決まったで日にち」
「ありがとう!さすが蔵リン」
デートの日にちか!白石め!油断も隙もない奴や!
俺が教室に入ろうとしたとき、白石は気になる言葉を呟きよってん。
「立海の子やったやんな!メールの子」
「せやねん!全国大会でね知り合ってん」
…メール…全国大会…
その言葉でピン!ときたわ。最近、小春がようメールしとる理由が。
全国大会の後、ようメールしとったけど、相手が立海やったとは思わんかった。
「蔵リンのお陰で、その子に会えるわ!楽しみやわ」
小春の無邪気な笑み。なんや初恋したみたいな、桃色な雰囲気。
「…それで俺の意識はログアウトや」
「まぁ、ドンマイ」
「なんや、人が失恋したみたいに」
「違うんか?」
違うわ!失礼な奴や!まだや、まだ失恋したとは限らへん。
「せやったら、一緒に行けばええやんか」
「それや!」
俺は早速、白石を探すことにした。
謙也の哀れな目はムカつくが、アドバイスはありがたかった。