※座談会の御書解説

「四信五品抄(ししんごほんしょう)」 パート1

・通解

妙楽大師のいわく「もし悩乱する者は頭七分(こうべしちぶ)に破れ、(仏を)供養する者は福十号に過ぐ」と。

 

「優陀延王(うだえんおう)」は「賓頭虜尊者(びんずるそんじゃ)」を軽んじたために、七年のうちに身を滅ぼしてしまい、

 

「北条時宗」は「日蓮大聖人」を流罪にした罪で、百日の内に兵乱にあっている。

 

「法華経観発品(ほうけきょうかんばっぽん)第二十八」には、

 

もし法華経を受持する者を見て、その人のあやまりをあらわにする者があるとする。

 

たとえ、その「失(とが)」が事実であっても事実でないにしても、それを「誹謗する者」は現世に白癩(びゃくらい)病になるであろう。

また、もろもろ悪重病にかかるであろう、とある。

ましくは「盲目に生まれるであろう」等と説かれている。

 

「明心」と「円智」は現に白癩(びゃくらい)にかかり、「道阿弥(どうあみ)」は盲目の者となってしまった。

 

今の日本国中の「疫病」は「頭破七分(ずはしちぶ)」の現象である。

 

罰の大きさをもって功徳を推し量るに、日蓮大聖人の門家は「福過十号」は疑いないのである。

 

・「妙楽」-妙楽大師(711~783年)のこと。中国、唐代の天台宗代六祖で、中興の祖とされる。

 

・「悩乱」-正法信者を悩ませ、その修行をさまたげること。

 

・「福過十号」-十号とは仏の十種の尊称のことで、色相荘厳、仏が備えた福徳を現すが、

 

凡夫が「妙法(南無妙法蓮華経)」を信受する福徳は、「十号」という「無上の仏身」を持つ功徳よりもさらに勝るということ。

 

・「優陀延王(うだえんおう)」-釈尊在世の、きょうしょう弥国の王。

はじめは賓頭虜尊者を崇拝していたが、後に軽んじたために、他国に攻め入れられ、七年間幽閉されたと伝えられる。

 

・「賓頭虜尊者(びんずるそんじゃ)」-釈尊の弟子で、十六羅漢の一人。

 

・「明心」-詳細は不明、大聖人在世当時の僧と思われる。

・「円智」-安房の国清澄寺(せいちょうじ)の僧。

 

「明心」も「円智」もともに大聖人に敵対し、白癩(びゃくらい)病となり、「非業の死」をとげたようである。

 

・「道阿弥」-詳細は不明。

 

・「白癩(びゃくらい)」- ハンセン病の一型の古称。身体の一部または数か所の皮膚が斑紋状に白くなるものをさす。