武人モアズ・カサスベ ヨルダン軍空軍中尉の勝利 | Fugenのブログ

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 テロ組織イスラム国に拘束されていたヨルダン軍パイロットを殺害する動画が公開されたとの報道がありました。産経ニュースは、下記のように伝えています。



【アンマン=吉村英輝】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」とみられる組織が日本時間の4日未明までに、拘束していたヨルダン空軍パイロットのモアズ・カサスベ中尉を、生きたまま火を付けて殺害したとする画像をインターネット上で公開した。(産経ニュース 2015.2.4 02:13)

http://www.sankei.com/world/news/150204/wor1502040012-n1.html



 テロ組織に焼き殺され、戦死したのは、モアズ・カサスベ ヨルダン軍空軍中尉です。最初に、中尉の戦死に心から哀悼の意を捧げます。



 公開された動画をおってみました。

http://video.foxnews.com/v/4030583977001/warning-extremely-graphic-video-isis-burns-hostage-alive/?#sp=show-clips



 この動画は、テロの自己正当化のために、非常に工夫された動画です。

 しかしながら、プロパガンダとしてみれば、テロリストの完敗であり、モアズ・カサスベ中尉の圧勝だと、私は思います。



 動画では、モアズ・カサスベ中尉の顔は、拷問されたのか顔は痛々しく腫れ上がっています。しかし、檻に入れられ、殺害直前になっても、昂然と大地を踏みしめて立っている中尉の姿は、見事な武人の雄々しさに溢れています。ただただテロリストの非道の極みの卑劣さ、残虐さだけが胸を裂くだけです。


 動画は、アラビア語(?)らしく、ナレーションの意味は、私には全くわからないのですが、テロリストがどんなプロパガンダをしたいのかはよくわかります。


 最初に、ヨルダン国王の出自が語られ、第2次大戦当時の画像が紹介され、不当に権力を簒奪したかのようなプロパガンダがされているようです。




さらに、ヨルダン国王アブドゥッラー2世と米国オバマ大統領の記者会見の模様を紹介し、「イスラムの敵」米国との親密さを批難しているようです。




そして、仇敵イスラエルともヨルダンが結託しているプロパガンダらしい。




さらに、反テロ・反イスラム国の有志連合の空爆がいかに残虐なのか、幼気な子供をはじめに民間人にどれ程ヒドイ被害を与えているのかを指弾しています。


そして、モアズ・カサスベ中尉に、空爆の説明をさせる映像が続き、空爆の残虐性をフラッシュバックさせて、あたかも中尉が「反省」しているかのような映像が何度か挿入され、テロリストの都合の良いように誘導しています。


殺害のために檻に入れられた、中尉にはガソリンでもかけられているのか、オレンジの服は濡れているようにみえます。武装した覆面のテロリスト共に囲まれ、火が点けられます。




殺害用の檻の床にはガソリンが撒いてあったのか、中尉の全身を炎が包み、火柱になります。

とにかく火の周りが早く、苦しみを感じる暇も無かったようなのが、せめてもの慰めです。

猛火により炭化した中尉のご遺体が床に寝ると、テロリストは、ショベルローダーで土をかぶせて檻ごと埋めてしまします。



そして、さらに捕虜のパイロットが数名紹介されます。テロリスト共は、まだ、終わっていないと主張したいのでしょう。




しかし、テロリスト共の思惑通りのプロパガンダなどは、できるはずがありません。

私は、最近の中東の不穏な状況を作ったのは、欧米の幼稚な正義感だと思います。例えば、イラクのフセイン政権を崩壊させ、アフガニスタンのタリバンを駆逐したことなどのために、なにがしかの安定があった中東を混乱の渦に巻き込んだのだと、私は思います。

テロリストの残虐行為を目にすると、幼稚な欧米の無道の方が、国際法・人道などのお題目を唱えているだけ、まだマシのような気がしてきます。



ですから、例え独裁政権による秩序でも、無いよりもあった方が、人間にとっては遙かに素晴らしい。記事を書いていて、こんなことを感じました。


最後に、戦死前、武装した犯罪者に囲まれても昂然としている中尉の雄姿を再掲します。

お見事な戦死でした。心からお悔やみ申し上げます。