昔、彼だった人に言われて今もトラウマになっている一言がある。
『…もったいないよなぁ、黙ってればいい女なのに。』
初めてこれを言われたのは、後から思えばその人と付き合うきっかけになった日。
後にも先にも、大喧嘩からはじまったお付き合いはそのひと一人だ。
バイト先に移動でやってきた新入社員。
…初めて出会った時からとっても嫌な人だった。たいして仲も良くないのに慣れなれしく話しかけてくる。
「あれ?今日は眉毛書かない日?麻呂みたい」 …書いてたけど消えたんじゃ。
パーマをかけた日、「ありえないよ。似合わない」 とはっきり断言。
他にも、素直じゃないとか、怒りっぽいとか、ご飯の食べ方が悪いとか、歩き方のリズムが妙とか、
スカートをたまにはいてたら「バツゲームですか?」とか言う始末。間違いなく女の人にはかなり慣れてるノリの軽さ。まじめに働いている私に「昨日より太ったんじゃない?」…はぁ?何この失礼な男・・・
毎日毎日けんか売ってるとしか思えない言動・・・
私のことを観察しながら、涙流して笑ってる…プッチーン (`□´)
そしてひたすら無視をする私にその人が例のセリフを言った。笑いながら。
周りに人がいるのも忘れて私はマシンガンのように怒りまくった。何を言ったかは憶えていないが
『最低!最低!最低!むかつく!むかつく!むかつく!!!!』
と、その人にむかって叫び、悔しいのと恥ずかしいのとで、その場にしゃがんで不覚にも泣いてしまった。
この事件をきっかけに、お詫びのドライブに誘ってくれたのがその人との短い恋のはじまり。
夏と冬と少しだけ春を一緒に過ごして私達は別れた。
自分に自信のなかった私は、頭もよく、優しくて女の人にもてる彼が、私だけを好きでいるわけがない、他にもいるんだ・・・と、勝手に悩み、勝手に猜疑心と戦ってしまったのが別れのはじまり。
「心配いらないから」
と、いつも言ってくれてたのに。意味もなく問い詰めたりもした。
気が付けば彼には新しい彼女ができていた
それでも別れたくなくて、2番目でもかまわないと私はつぶやいた。黙って彼は私を見ていた。
手に持ったままのタバコを吸わずに、彼はただただ黙って私を見ていた。
哀れに思えたのかなぁ…私。
数回繰り返された別れ話の最後の日、彼の小指の指輪を見て
「もう…いい」
とだけ、私は言って、別れを決めた。
泣くのを必死でこらえる私を見て、その人は言った。
『もったいないよなぁ。黙ってればいい女なのに。でも、そのバランスの悪さがお前の魅力だったんだよなぁ』
粒でこぼれる涙の理由が、もうわからなかった。
私は大好きな人と、たくさん話しがしたい。今のことも、昔のことも、なんでも、とにかくなんでも、話がしたいだけ。
おしゃべりだし、よく泣くし、わがままだし、気が強い私。素直になる方法は今だに知らない。
時は過ぎ、私が結婚した人は、いろんなことに不器用な感じの、けして派手な人ではなかったけど
でも、あたたかかった。出会った最初からあたたかな、優しい人だ。
この人なんだ。 この人なら、私を私のまま愛してくれる、そう思った。
いろいろあって、今は距離がある。
黙っていられない私が、作ってしまった距離。
寂しい…と、素直に言える人がいなくなった。寂しさもどんな気持ちも一人で抱える。
誰かにいっぱい甘えたいなって、ふと思ったりなんかして、、、、
いろんな場面で思い出される私のトラウマ。
だから、余計なことは言わずに黙っていようと、心の中で呪文のようにとなえる。
ありのままの私を見て、それでもいい女だと思ってほしいのだけれど。
人気blogランキングも、おしゃべりな私も、どうぞよろしく。