私は私が嫌いだ。年々どんどん嫌いになる。それはやっぱり悲しいこと。
それでも昔は好きだった。明るく、楽しく、人に優しく、一生懸命な人間だと思えていたから。勉強は全然できなかったけど、うまく学生生活を楽しんでいた。いろんな友達に出会い、愛しい人にも出会い、たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん受け止めてもらって、そして別れてきた。 春。桜にはいい思い出がない。何年も何年も前に桜の木の下で、その時精一杯愛していた人に振られた。 「お前は一人でなんでもできる。生きていける。もっと、俺を必要として欲しかった」
まだ学生が抜けきれない程度の年齢の私に、彼はそういって離れていった。いくつも歳の離れたその人に愛され続ける為には、甘えちゃいけない、あの人について行けるように大人の女にならなくちゃ…と、がんばってしまったのがいけなかった。強がってばかりで、可愛げのない女だったに違いない。 「愛してる」なんて、とっても言えなかった。その人も、「愛してる」なんて言葉、一度も言ってくれなかった。だけど、ほんとは彼も私の前では大人でいようと無理をして本当の自分を偽っていたということを、しばらく経って聞くことになる。時は過ぎ、もう別の人を愛していた私に彼は、
「別れてしばらくしてから後悔した。もっと気持ちを伝えればよかった。あの時、あなたを好きでしょうがなかった。本当に愛してた…」
…その後私はこの恋を忘れるために、えらい苦労をすることとなる。その話しはまた別の機会に…
あれから何度も巡りめぐってきた桜の季節。今年は右手に息子の温もりを感じつつ、小さな花とつぼみを発見。 「ママー!これきれいだねぇー!!お花欲しい欲しい!!とって!とって!」 と、騒ぐ陽気な息子の声に、今でも時折胸が痛む私の恋の記憶はかき消されていった。
みんなはどうしてるの?あの恋の記憶。