(2023年10月30日発行)

内容説明

あとがない!!

ねんてんさんはあせっている。

80歳の大台にのるのだ。

言葉と関わり、俳句と関わり、

“口誦性”“片言性”を唱えてきた―。

寄る年波を自覚しつつ、

それを逆手に“跳び過ぎ”老人になるのだ!!

もちろん老いと俳句の関係についての考察も、

おさおさ怠りない、

快進撃のエッセーである。

(紀伊国屋書店より)

 

 

読み始めたら面白く

最後まで読んでしまいました。
興味深いのは
俳人の後世に残る名句といわれるものは
若き日に作ったものが多く、
老いると良くなくなっている
という記述でした。
普通でしたら
その一句で地位を不動にしても
神様のように立派と言われている
例えば高浜虚子にしても、
凡句はあるという指摘です。
 
老いるにも生真面目な老い方と
楽しんでしまう老い方があり、
言葉も時代とともに変化している
ということに
どれだけ順応していけるのか、
感性の老化ということは
やはりあり、
反比例するように
名声は上がっていく
という指摘は
その通りなのかもしれません。
 
捻典先生が
書かれている大石悦子さんの俳句は
私もとても面白いと
感じました。
 
斧嚙ませたるまま春の樹となりぬ
 
口論は苦手押しくら饅頭で来い
 
みづうみへゆらりと抜けし茅の輪かな
 
オリオンに一献シリウスと一献
 
囀れる鳥の名五つなら言へる
 
(以上5句 大石悦子)
 
 
それにしても
天の川わたるお多福豆一列
 
(加藤楸邨)
 
捻典先生が
とても評価しているのですが、
お多福豆の句はそんなにいいかしら。
私には、名句も、迷句も
実は、よくわからない。
 
 
!?