たとへば君―四十年の恋歌/河野 裕子
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きょうは一日、暗い日でした

雨が降りそうな

降らずに陽も照らず

・・


晴耕雨読という言葉どおり

本当に

読書日和でした


。。。。


河野裕子さんの本は

いろいろ読んできました


この本も

ホント

ジーンとくる、よい本です


。。。


夫婦の相聞歌

40年にわたって貫かれる

愛の歌です



たとへば君

ガサッと落葉すくふやうに

私をさらつて行ってはくれぬか

~河野 裕子~


出会いのころの代表作にはじまり

結婚、出産

家族の歌

乳癌との戦い

尽きるまでの・・・


それぞれの時々に

必ず歌が寄り添っている歌人


子がわれか

われが子なのかわからぬまで

子を抱き湯に入り 子を抱き眠る

~河野 裕子~


彼女は書いている


誰かのために、

何かのために、という大義名分では

決して短歌は作れない

短歌はもっとつきつめた

ひとりぼっちなものだと思う


・・・そんな彼女が

一生をかけて

夫 永田和宏を歌い

家族を歌い

そして最後は

歌人としてではなく

1人の妻、母として死にたいと歌った


出会ったころのことを

永田氏は記している


会えば必ず夜が遅くなる

彼女を送っていくと帰りの終電車はない

滋賀県に住む彼女を

家に送り届けひたすら歩く

歩いて京都まで帰ろうというのである

莫迦な話である

しかし、

そこが若さというものだった

月見草がどこまでも続く道であった

今からは夢のような

はるかな、

そして

けなげな景である


・・・・


選歌して眠たくなれば下りてゆく

階下(した)にも 1人が選歌しており

~河野 裕子~


もうもはや54にもなるか

この人は傘の柄にぎる手の甲のしみ

~河野 裕子~



家族の歴史の歩みを

説明するかのように


家族だけが知る

生卵を割れない夫の話


アメリカでの暮らし

子どもへの性教育

おたまじゃくしの話など


青春期のエピソードは

本当に楽しい


だからこそ・・それゆえに・・・

彼女の命が削れていく様子は

つらく悲しい


。。。。



暗い庭に目をやり

この文章を読む


作歌はお天気のよい日

雑音の聞える所では出来ない

雨の日、曇った日がよく

1日の時間帯でいえば

逢魔が時といわれる

うす暗い時が一番いい


。。。



一つの歌に

それぞれ背景がある

本のタイトルになった


「たとへば君・・」

彼女が

2人の男性への揺れる心の中から

歌った歌と知れば


また感じ方は

より一層深くかんじるものである



とりとめもなく長くなりました


この辺で・・・



以前の記事はこちら



左下矢印



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