先日、絵本作家の長野ヒデ子さんの講演会に行ってきました。


我が家の愛読書『おかあさんがおかあさんになった日』、『おとうさんがおとうさんになった日』の著者です。

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印象に残ったことをシェアします。
・長野さんは旦那さんの転勤に伴い、色んなところに住んでいて、福岡県太宰府市には8年住んでいた。本は人と人をつなげてくれると強く感じている。

・デビュー作は、『とうさんかあさん』

とうさんかあさんに「子どもの頃、何組だった?」など、子どもが質問して答える絵本。単純な絵本だが、これが絵本賞を受賞した。その理由が分からなかった。
何年も経ったときに選考委員だった1人に聞いたら、「子どものどんな質問にも向き合っているのがいい」、「子どもと大人は同じ対等の人間というのが伝わる」と答えてくれた。

・本の出来は、編集者によって変わる。農業のように、種から収穫までには目に見えない力(太陽や雨)が必要。作品づくりも同じ。まさにculture=耕す。

・『おかあさんがおかあさんになった日』は、アーサービナードさんが訳してくれた。赤ちゃんが産まれたときに「オギャーオギャー」というシーンがある。しかし、アメリカには産声がないそうだ。産声は、フランスにもドイツにもない。韓国語にはあるそうだ。やっぱり韓国とは近しい感覚がある、仲良くしていきたいなぁ。

・昔は、紙芝居は絵本よりも下に見られていて論文や研究も少なかった。

【参考】紙芝居の歴史についてはこちらのサイトが分かりやすいです↓

今は紙芝居もたくさん増えてきて、研究も進んできているし、紙芝居もどんどん読んでほしい。学校と図工の時間に、紙芝居をつくる授業もある。

2021年には加古里子さんの出身地である越前市で全国紙芝居まつりがあるので、ぜひきてくださいとのこと。

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『すっすっはっはっしんこきゅう』や『まんまんぱっぱ』、『おすわりやすいすどっせ』など絵本や紙芝居を読みながら、その本の出版ストーリーを話してくれました。

↑わらべうたで、子どもを足に乗せて歌うと楽しい。

長野さんが、紙芝居を「読む」ではなく、「演じる」という表現をしていたことがずっと心に残っています。


60歳まで字が書けなかった吉田一子さんのことを書いた絵本『ひらがなにっき』もぜひ読んでほしいとおっしゃっていました。

長野さんは、穏やかでゆっくりとした口調で話をされる方でした。当日着ていたトップスがベージュと赤のボーダーで、ラグビーのユニフォームにも似ているからかラグビーの応援にきたの?と福岡の街中を歩いてたら話しかけられたそうです(ラグビーワールドカップで日本がスコットランドに勝利したとき)。洋服や靴など色のトーンを合わせていて、グレイヘアにも似合っていてオシャレでチャーミング。その雰囲気が作品にも表れているなと感じました。

サインしている間も帰りの飛行機の時間が迫っているのにゆったりとしながら絵とサインを書きながらおしゃべりしてくれました。
ますますファンになりました♡

購入してサインしてもらった『七五三だよ 一・二・三』。七五三を迎えるまでの準備や当日、帰宅後のあるあるな日常をほのぼの書いてあって、可愛くて癒される♡