助産院で先生に温かく迎えてもらえ、ひと安心。

そして、妊娠前からの希望通り、助産院で家族みんなと赤ちゃんを迎えることができるんだと思うと、出産前からなんだか感無量になる。ここまでの私、よく頑張った!

 

いつも検診をしているお部屋に布団とお産セットが用意されていた。普段ついていない素敵な照明がキャンドルの炎のように優しく点いている。

 

陣痛はあるけど、いつ頃産まれるんですか?

どうやったら陣痛の間隔が短くなるんですか?

 

先生に問いかける。

急に陣痛が強くなってグー―っとお産が進むこともありますよ。

ちょうど満ち潮だし、今日には産まれると思います。

 

ドキドキ・・・

 

子どもたちは別室でおにぎりを食べたり、絵本を読んだり、陽が昇って外が明るくなると外へお散歩にいって過ごしていた。時々様子を見に来て、手を握ってくれたり、「イタイ?」とニヤケながら聞いてちょっとひやかしたり。

 

 

痛みも強くなってきて、ドリーにいつ産まれるかな?と聞いたら、7時くらいって。

今6時過ぎだけどあと少し?!

先生に話すと、えーーー!じゃあスタッフを早く呼ばないと!なんて談笑する余裕もこの頃はまだあった。

助産院についてから、先生はずっと、アロママッサージやお灸、テルミーなどでお産がスムーズに進むようにしてくれていた。こんなところも2人を産んだクリニックとは全然違う。

 

 

痛みが強くなって、「うううぅぅ---」と唸るほどきつくなってきた。トゥージは何も言わずによしよししてくれた。ドリーは遠目から様子をうかがっていた。

 

朝7時、8時。

「痛くて、痛くて、もうホントに痛くてどうしようもない。リラックスなんてできない!」

「できなくてもその気持ちだけでも持って!!!」

 

いきみたい気持ちも強くなって、なんとなく周りがバタバタし始めた。

「ふかーーく息をはきましょう」

「旦那さん!奥様を支えてあげて!」

今まで木製の分娩椅子にのせたクッションに体を預けて四つん這いの状態で陣痛に耐えていたが、パパシーにつかまる。

「うぅぅーーおいで~ 赤ちゃん、会いたいよ~ おいでーー」

 

うううぅぅ---!‼!‼

 

「頭がでてきたよー!さわるー?!」

「嫌だ― コワイ!!!」

 

ふんうううぅぅ---!!!!!!

にゅるにゅるにゅる~~~~

 

朝8時32分 誕生!!

パッと見たら、へその緒が体中に巻きついて、血まみれだった。

しかも、膜に包まれてでてきたそうで、一番理想な状態だという。

 

へその緒がついたまま、横になり、抱っこをする。

ずっしり重みがあった。

 

ちゃんと産まれてきてくれてありがとう。

あなたが私のおなかの中にいたのね。

ずっと一緒だったね。

会えてうれしいよ。

みんな、待ってたよ。