「俺たちの気持ちを、





何とか理解してもらおうと思って、






今話しているんだけど、






全部反論してくるから・・・






どういうところが問題だったかを、

聞いてほしいのに、







お前は、返すばっかりじゃないか。






何をしに来たの?」






と、父が尋ねます。







「うん、何しに来たか、わからない。」






と、母も畳み掛けます。







「泣かせることに平気になってるな。





一回でも、泣かさんでくれよ。 

 





泣いたなら、びっくりしてくれよ。






大変なことした、と思ってくれよ。






守ってくれるべき夫が、攻撃して

くるなんて。






娘を、泣かさんでくれよ。






うちの、宝物なんだよ。」







父の、懇願。






このとき、どんな表情で、

言葉を絞り出していたのか、






別室にいた私にはわかりません。






婚約指輪を見せたときの、

満面の笑み。






結婚式で、初めて見た涙。






父が、私のことを大切に想って

くれていることは、






結婚が決まってから、

胸がぎゅっとなるくらい、

知っていました。






普段、そんなに口数多く

喋ってくるタイプではなく、







どちらかというと口下手で。






でも、このときは、





このときばかりは、






居ても立っても居られなくて、






詰まりながらも、






一生懸命、言葉を紡いで

くれているのが、伝わって

きました。






ああ、私は、大切に育てて

もらったのだな、と。






それなのに、こんなことに

なっちゃったな、と。






なんともやるせない気持ちで、

胸が押しつぶされそうでした。






続きます。








娘が持って帰ってきた、葉っぱ。





落ちてた葉っぱ、
いいにおいが、するんだよ!





と。






嗅いでみると、桜餅の香り。






ああ、桜の葉。






桜の葉を、まじまじと見たことは、
あまりなかったかもしれない。





葉脈が、びっしり通っている。






私の手のひらで透ける、
血管のよう。






生きている。






私も、桜も。






この地球に生まれ、


 



生かされ、






いつか、死ぬ。






桜は、散った葉を、愛でて
くれる人がいるが、






私の命は、どんな散り方を
するのだろう。





命が散るときに、





この世に私が生を受けた意味を、





見出すことができるくらいに、





精一杯生きたいな、と思います。





お読みいただき、ありがとう

ございました。




 

 

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