母が、







「娘を泣かせても、

あなたは平気。







娘が泣くことを、

なーんにも思ってない。」






と言うと、







「平気じゃないですって!







平気だったらここに

来てないですよ!







いつか戻ってくるだろうぐらい

に思ってるってことでしょ!」







とモラ夫が返します。







訪問したばかりのとき、








「仕事を休んでまで来るほど

じゃないと思った」







と言っていたではないか。







いつか戻ってくるだろうと、

思っていたわけか。







本音が透けて見えます。







モラ夫は続けます。







「平気じゃないですよ、

わかってますよ。







いつも泣かせられるって、

そんなんで結婚する人いない。







そういう発想になるの、

おかしいです。







絶対あり得ませんよ。







幸せになりたいし、







この人と生活を共にして、







苦楽を共にして、







幸せになろうよって言ったのに。






結婚式で、誓いの言葉とか、







そんなんやってるのに。







こんなふうになってるのは、







ほんとは嫌ですよ。







それが現にこうなってるん

ですけど、







何で結婚した?って言われて、







そんな泣かせるために結婚

したなんて、






言うわけないじゃないですか。」







薄っぺらい・・・






「平気じゃないですよ、

わかってますよ」





という表現にも、違和感が

あります。






『平気じゃない』ことを、

『わかっている』?






『平気じゃない』気持ちは、






他者から強制されるものでは

ないもので。







『自分は平気だけど、

普通は平気じゃないんでしょう。






そんなことは、知っている。』






と言っているようで、







人間ではない、未知の生き物を

見ている気分でした。







話を聞いているだけの私。






それでもモラ夫は、吸血鬼が血を

吸うように、






私からエネルギーを吸い、

奪ってゆきます。







続きます。





私が浸かっている

湯船の中に、






絵の具を一滴ずつ、






ぽたり、ぽたりと落とされる。






じわっと滲み、溶け、






絵の具は消えてなくなったよう。






ぽたり、ぽたり。







ぽたり、ぽたり。






ふと気がついたときには、

もう染まりきっている。







気づかれにくくて、気づきにくい

モラルハラスメント。





少し染まってきて、





おかしいかな?





と思った時がチャンスなのだけれど、






きっと気のせいだ、

と、済ませてしまうから、






深みにはまってしまう。







お読みいただき、ありがとう

ございました。