息が苦しいほどに泣いている
私と、





それでも容赦なく暴言を浴びせて
くる、モラ夫。





ひとしきり暴言を吐かれたあと、





「もう一人で行くから、いい。





降りて」




気づけば、住んでいるアパートの
前でした。




私は泣きながら、車を降りました。




モラ夫は、私が車から離れる前に





荒々しく車を動かしました。





モラ夫は、車に乗ると人格が
豹変するタイプでした。





毎回ではないのですが、
車に乗るとイライラしやすくなり、





運転が荒くなることは、
よくあることでした。





立ち尽くす私を置いて、





スピードを上げたモラ夫の車は、
ぐんぐんと遠ざかっていきます。





私はとりあえず、よろよろと
家に入りました。





心が辛くて、いたたまれなくて。




苦しくて、どうしようもありません。




普段なら、しばらく泣いて一人で
気持ちを切り替えたと思います。




でも、このときの私の頭には、





今朝まで、自分の実家にいたからか、




ふと、母が浮かびました。




夫婦喧嘩くらいで、親に言うなんて・・・




という気持ちもあったのですが、




しばらく話していないときよりも、




実家に帰省したばかりということで、




相談することへの心のハードルが
下がっているように思えたのです。




私は、悩みつつも、実家の母に
電話をかけました。




泣きじゃくりながら、自分の
気持ちを吐き出したのは、





どれくらいぶりだったこと
でしょうか。




息が苦しくて、うまく喋れなくて
もどかしさを感じつつも、




一生懸命、伝えました。




強がりで、我慢するのが当然な
私が、弱さを見せた瞬間でした。




母も、私があまりに泣いているので、
驚いたことでしょう。




私が大泣きしているので、





母にはほとんど聞き取れなかった
かもしれません。





でも、私の心の、





どうしようもないほどの苦しさ
は、伝わったようでした。





母は、私に、




「帰っておいで」




と、言ってくれました。




しかし、時間は夜です。




今すぐ、出ていきたかったの
ですが、



明日の朝、実家に帰ることを決め、




母との電話を切りました。




続きます。




お読みいただき、ありがとう
ございました。