こんにちは!
三味線って一口に言っても、実は種類が数種類あるんですよ。
多くの人が津軽三味線を想像すると思いますが、津軽三味線とは音楽ジャンルの名前なんです。
では少しずつですが、解説したいと思います。
三味線の楽器の種類は主に現在は3種類。
細竿三味線、中竿三味線、太棹三味線です。
その名の通り、竿の部分の太さが大きな違いです。
基本的な材料や材質はどれも一緒です。
最高級品は紅木、稽古用は花梨、撥(ばち)は象牙、ジャンルによってはべっ甲。駒、糸巻も象牙です。
楽器は音楽ジャンルによって使用する三味線が違います。
まずは、津軽三味線。
こちらは太棹三味線で、主に犬の皮が多いです。
叩きという奏法で、皮全面を使用し叩くように演奏します。
(参考動画)
大体幕末に成立し、最初は門付け芸でした。ジャンルでいうと郷土芸能の一種ですが、派手な演奏法などで全国的に広まりました。
ここからは、少々説明が難しくなります。。。
多くは歌舞伎音楽と共に発展してきました。歌舞伎音楽の三味線は大きく分けて2種類。
・語り物(浄瑠璃)
義太夫節、常磐津節、富本節、清元節、一中節、新内節など。
・唄い物(唄物)
長唄、地唄(上方唄)、東明節、大和楽など。
これは頭の端に置いておいてください。
細竿三味線を使った音楽ジャンルで有名なのは長唄です。
長唄は歌舞伎の演奏で大成し、現在も歌舞伎には欠かせません。
皮は猫の皮です。
長唄という位ですので、唄が入ります。
唄の合間に三味線だけの演奏の部分があり、それを合方といいます。
津軽三味線とは奏法が違い、撥皮(ばちかわ)と呼ばれる皮の上に貼った薄い皮の狭い部分のみで弾きます。
(参考動画)
地味だと思う方もいらっしゃると思いますが、動画の25分くらいからの玉(本来は即興的演奏)とよばれる部分は、津軽三味線の早弾(曲弾き)にテクニックとは違う良さがあります。
義太夫節
ここからは唄ではなく浄瑠璃というジャンルの一派です。先述の通りですが、浄瑠璃とは唄うではなく語りと言います。
つまり、ストーリーテラーですね。
義太夫では太棹三味線を使います。
参考動画があまり無かったので、YOUTUBEで探してみたください。
文楽(人形浄瑠璃)で主に演奏されます。太夫と三味線弾きは基本1人ずつ。歌舞伎などでは2~3人づつでも演奏されます。三味線は大きな音がしますし、撥も大きく、三味線弾きの掛け声も豪快で、浄瑠璃(語り)も豪快な節回しが特徴的です。
常磐津節
こちらも浄瑠璃の一派。
三味線は中竿三味線。
太棹三味線と細竿三味線の間ですね。
艶っぽい音が特徴的です。
参考動画はYOUTUBEで探してみたください。
語りの部分と唄のような節回しが存在し、豊後節から分かれて歌舞伎と共に発展しました。
聞いてみると、なかなか心地よい節回しでおかしみの雰囲気からシリアスな雰囲気まで空気感の作り方が素晴らしいです。
清元節
三味線は中竿三味線。
歌舞伎の三味線音楽のなかでは一番最近に出来たジャンルです。(1814年創設)
豊後節からの派生した浄瑠璃ですが、長唄の影響を受けて艶っぽいなかに繊細さが加わり江戸っ子に好まれた。節回しは高音が多く出てくるため、義太夫の様な豪快さは薄い。
参考動画はYOUTUBEで探してみたください。
ざっくりでしたが、こんな感じです。三味線と言っても、音楽の成立によって色々なジャンルがあります。まぁ、日本の音楽シーンに多大な影響を与えた三味線ですが、愛好者も減って現在は作る職人さんも激減。。。消滅の危機なんです。動物愛護法や色々な事情で、三味線の猫の皮も国内では流通がほぼなく中国からの輸入ですが、そちらも中々良い皮もなく100枚に1枚使えるかどうかだそうです。現在はカンガルーの皮の開発、普及が進んでいます。
日本の伝統芸能には欠かせない三味線ですが、現在はグローバル化で様々な習い事も増え
押され気味ですが、本来は大衆芸能であったという事をお忘れなく。
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・国指定重要無形文化財 江戸里神楽 若山社中
・歌舞伎囃子 笛方
藤田和也
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