チクタクの音を
耳にするとつい
歩幅が縮んで
焦り始めてしまう。
ギクシャクして
前後左右が
分からなくなり
見失うばかりに。
チクタクは
悪戯にのろまを
置いてけぼりにし
弾むように嘲笑う。
ギクシャクは
いつか怒りを奮わせ
あちこちに
当たり始める。
いっそ
チクタクも
ギクシャクも
書き消して
何もない空間へ
飛んでいきたい。