新緑に囲まれた山道で
一粒の透き通った
まるでルビーのような
愛の礫という名の
美しい輝石を手に入れた。

一球に情熱を注ぎ
母なる故郷へ
錦を飾るためにも
球児たちは今日も
一球を投げ合う。

白川の関所の門は
けっして呪縛ではない。
いつか未来の喜びを
皆で分かち合うために
まだ閉ざしているだけだ。

福と愛を共有し
この陸地に
平和の礫を降らせ
一人一人が
拾って宝にする。

いつか幼い時に見た
懐かしい光景を目にし
現実の息苦しさを
脚で蹴り飛ばし
快晴の空を見つめた。

喧嘩するのも
すれ違うのも
絆の一つなら
私の弱さを省み
旅を始め直す。

氷の轍が溶け出し
菫たちが目を覚まし
花が満ちたのち
蝉が元気に鳴き
新しく稲穂が色付いていく。

深紅の旗が呪縛を祓い
白河の関を乗り越え
東北の広い大地に
大義と希望を証し
次なる未来へ繋げる。

暑い夏が過ぎた日に
紅色のススキが生え始め
回りの緑と戯れながら
明くる秋への彩りを
やさしく広く暗示する。

何度も落ちこぼれ
それに慣れたつもりでも
いつしかそれが
水の泡になるのが怖くて
今日も何かを詠う。

急がば回ればいい。
渦巻きを描くように
何度も迂回を重ねて
向風を浴びながらも
答えは必ず見つけられる。