さて、仮にトレーダーが本物の凄腕の技術をもっていたとして、そのトレーダーのMAMなら安心なのか?
この点について、過去に知り合いが遭遇した事例も交え、書いてみたいと思います。

1. 指定証券会社の選定は?
MAMに限りませんが、指定された証券会社(MAMの場合は必然的に海外になります)は、NDDの信用がおけるブローカーでしょうか?金融業の免許や顧客資金の保全など、トレードを自分で行うか他者に委ねるかを問わず、当ブログで何度も述べてますが、最も重要です。この点が不明確なブローカーを指定されている場合は、ユーザーの資金の安全性よりもトレーダー自身が高いIB報酬を得ることを優先している可能性があります。要注意です。

2. 公開されているバックテストとフォワード実績の相違は?
どんなに凄腕のトレーダーでも自分の資金のみで運用する場合と他人の資金も含めて運用する場合は精神的プレッシャーが違います。仮に、トレーダーが真面目にユーザーファーストで運用を行う気でいたとしても、心理的重圧から調子を落としたり、最悪なのはそのうち無茶なポジション取りをしても自分だけはIB報酬である程度の損失を相殺できるから・・・という流れになっちゃった時です。

3. 手数料報酬の落とし穴
トレーダーも慈善事業じゃないので、利益のうち何割かは手数料としてユーザーの口座から引かれます。知り合いに聞いた話ですが、損切りせずに大きな含み損を抱えた状態でも細かな利確ができた分から手数料が引かれていき、結局口座破綻。
普通に考えると、トレーダーとユーザーは運命共同体のイメージですが、実際は口座破綻してもIB報酬と利確分の手数料を得たトレーダーと単に口座破綻したユーザーは天国と地獄になったという話でした。
さらにこの話には続きがあり、ユーザーの数やトレード数が一定数超える毎に、トレーダー自身の損失はキックバックで補填されてもいたようで、トレーダー自身は自身の口座破綻分についても実質無傷だったらしいです。

4. 3の時点で既にマトモなビジネスでは無いですが(苦笑)、3.の場合は利益がきちんと出続ければ、ユーザーもWINとなる分まだマシと言える場合。
もっと悪い事例は、トレーダーの口座は実はデモ口座でブローカーとグルになってる場合。
NDDブローカーというのも大嘘で、実際はDD業者で、最初は集客の為の撒き餌で利益を出させつつ(この利益もブローカーの操作でスキャルが多かったみたいです)、最後は無茶なナンピン(価格が戻って含み益が出ても決済せずとにかく含み損が拡大するのを待つ。逆行方向にひたすら仕掛けて口座破綻させ、ブローカーとトレーダーがDDで得た利益を山分けということもあったようです。もっとも、ここまでやると、流石にバレて、当局からペナルティを受けたみたいですが、最近ではこういう悪徳ブローカーはタックスヘブンの地域など、規制が緩い場所に所在を移して(ついでに名前も変えて)活動するパターンが多いようです。

長々と書きましたが、私が知り合いから聞いた事例は5年から10年位前なので、今はもっと巧妙になってるかもしれませんね。

いずれにしても、2〜4は参加してしまってからではユーザー側からは確かめようがありません。

まず、1.のブローカー指定の時点で無名のブローカーだった場合は止めといた方がいいと個人的には思いますし、もしそれでも諦めきれないなら、MAMの業者にどうしてそのブローカーを選定したのか?(もっと他に有名で信用おけるNDD業者があるにも関わらず)質問してみてから再考した方がいいと思います。

尚、私自身は過去大失敗した一例を除き、MAMに参加したことはありませんので、このMAMをどう思いますか?的な質問をされても答えようがありません(推測はできるかもしれませんが)のであしからず。もっと言えば、それも含めて自己判断せずに他人に判断を求めること自体、きつい言い方ですが、投資家としては危険なマインドです。