「コックピットは常時2人」の規定は安易すぎる.... | プライベートジェット機長が見た「超」大富豪の投資の世界

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3月24日に起きたドイツ・ジャーマンウィングスの事件をもとに各国のエアラインにおけるルールが変更されてきている。

ジャーマンウィングス9525便墜落事故

この事件は機長がコックピットの外に出た後、残った副操縦士がドアをロックして自ら機を墜落させたというショッキングな事件だ。



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この副操縦士がどうして自ら機を墜落させたのかという理由がまだわかっていない中、各国の一部のエアラインがコックピットにおける社内ルールの変更を行い始めた。

当事国であるドイツ航空協会は27日、全加盟社で、操縦士の1人がトイレなどで席を離れる場合は、別の乗務員が代わりに操縦室に入る「常時2人制」を導入すると発表した。
事故機を運航していたジャーマンウィングスや親会社のルフトハンザ航空なども含まれる。
AFP通信によると、オーストリア航空当局は同国の2社に「常時2人制」を課した。

欧州の格安航空大手、英国イージージェットは27日朝から「常時2人制」を導入した。
ノルウェー・エアシャトルも安全当局の承認が得られることを前提に、同様の措置をとる。格安航空以外でもアイスランド航空が追随するほか、各社とも対応を検討している模様だ。
フランスのメディアによると、欧州連合(EU)全体のルールづくりが進む可能性もある。

米国ではこの事件の前からすでに「常時2人制」が採られている。

さて、なぜこのような規定に反対するのかというと、内容が安易すぎてすぐに形骸化しそうだからだ。

通常、パイロット2名で運航している航空機でパイロット1人が席を離れる場合、誰がそのかわりに残るのかというと、航空会社が求めているのは「客室乗務員」なのだという。

この客室乗務員がいることで墜落させようという操縦士の抑止力にさせようというのだ。

「人間、死ぬ気になったら何でもできる」という表現があるが、自ら死ぬ気で機を墜落させようというパイロットにこの客室乗務員が抑止力になるのであろうか?

私が墜落させようというパイロットだったら、そんなことは想定済みであらゆる手段でこの客室乗務員を殺しにかかるだろう。
殴って気絶させてから、ボールペンなどで心臓を一突きとかなんでもできる。

世界的にまだまだ客室乗務員は女性が多い。
その女性がこのような殺す気のある男の抑止力になるのであろうか?
(チャーリーズエンジェルのような女性なら別かもしれないが)

はっきり言ってこのような安易なルールの変更は何も対策にならないし、運航コストを下げるために限られた人数でそれぞれの仕事をみんながしている中、簡単にルールを変更して現場に負担を強いるのは現実的ではない。

まずは、今回のジャーマンウィングスの副操縦士がなぜ自ら機を墜落させたのかの理由を調べること。
なぜ、乗務に着くことが可能だったのかを調べること。

そして、どうしたらこのような人間を乗務につかせないようにできるかを考えること。

前回の記事でも書いたが、日本ではこのようなことをすでに30年以上前に経験している。このケースでは操縦中に起きている。
つまりパイロットがそろっていても(当時は航空機関士がいたので3人がコックピットにいた)起きる時には起きるのだ。

なにか航空機に関する事件・事故が起きるたびにわれわれパイロットたちは規制強化を受け入れてきた。
乗務前のアルコール検査しかり、航空英語能力証明ライセンスしかり。

今回の事件でも今後何かしら規制の強化がされる可能性が十分ある。場合によっては世界的なパイロット不足に拍車をかけることになる。

その際にかかるコストはいったい誰が負担をすることになるのであろうか?

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