(桃畑の近景…そろそろ次の写真ネタを仕入れに行かなきゃね。)

 

 

 

昨日に引き続き、
不動産投資のメインは土地だよ!をお伝えします。

 

 

1.どの時点で考えても基本は同じ

 

昨日の【例示】比較では、建て替え時を中心としてお話しを展開してみましたが、
実は、これは不動産を有しているどの時期でも同じことが云えるのです。


つまり、売却時も同じ事が起こり得ると云うこと。

これはどういうことでしょうか。


その1は、

 

建物の減価償却が進めば、その裏返しとして価値が減少する、
つまり、売却時の価値も落ちるということ。

 

結局、建物の比率が高い(土地の比率が低い)ということは、それだけ全体の多くを占める部分の価値減少が高いということであり、それが売値に反映されるということです。


その2は、

 

融資評価が落ちることによって、買い手が限られたものとなり、
それに応じた売値しか付けられない可能性があるということ。

 

本ブログの7月13日~15日辺りを再確認して頂きたいのですが、
土地の融資評価は路線価が原則、
建物の評価は構造別の単価×平米数×耐用年数残が原則、
ということをそれぞれお伝えしました。

 

ここで理解できることは、
建物の評価は耐用年数残を最後に掛け合わせることから、
年数の経過と共にその価値が暫減し、
最後にはゼロになるということです。

 

ということは、買い手側からすれば、
その逆説として受けられる融資額が減少するということであり、
その分自己資金を準備する必要が生ずるということ。

 

つまり、自己資金を準備できる人の数は、その額が増えれば反比例する訳であり、
その分買い手が限定されることに繫がる訳です。

 


1.図解で考えてみよう

 

ここまでのお話しは図解にすれば一発です。


土地の比率が高い物件(A)と、土地の比率が低い物件(B)を並べてみますが、
建物の比率が低いということは価値減少の比率が低いということであり、
これは建物の償却が終了するまで継続し、

そして残った土地の価値がそれぞれに異なるということなのです。

 

【図  解】

 

上記の図解は、仮に購入金額が同一だとしても、土地の比率の大小でその後の価値の推移に差異が出ることを教えてくれます。

 

土地の比率が高い物件(A)は、取得時の価値を除き、土地の比率が低い物件(B)に比べて最後まで優位性を保っていることが理解できますね。

 

前述のブロックでは、価値の高さは、これがそのまま売値に直結し、同時に買う側にとっては融資の受けやすさ=売却時における客の数の多さに繫がる要因であるとお話ししました。

 

さらに、昨日お話ししたリサイクル面でも優位性が出ること、

(A)がそれを保ち続けることとなるのです。

 

ただ、ちょっと横にお話しが逸れますが、建物からは減価償却費が取れますので、

価値減少の構図が上記のようにならない地域、例えばプレミアのつく所在地の物件を取得し、わざと(B)のような物件を投入することもあります。

 

一応いつもお話ししている内容は原則論的な部分である旨、再確認しておきますね。

 

 

1.購入する際は売却時のことを考えよう

 

再確認しますが、このお話しは長期的にみれば、

所有財産の量がどうなるかと云えば?


そうですね。土地の比率を高めに設定することで、

トータルでは増加することが解りますね。


では、お話しをもっと展開すれば
どういうことが云えるのかというと…上記の再確認も含めると…

 

 

①売りやすい物件購入を考えましょう


これは前述の融資評価そのままのことです。

 

土地の比率が高ければ建物が融資評価に与える影響は相対的に下がり、

結果として高評価を維持し、また、購入後の評価減少を防止することにもなる訳です。

 

結果として融資評価が高止まりすれば、

それだけ売却時に買い手(=客)が並ぶ余地が増えるのであり、

自身にとって有益であるということが云えるでしょう。

 

【例 示】

 

ちょっとへたくそな略図を書いてみると、

-------------------

頭金3,000万円を出せるグループ   10人

-------------------

頭金2,000万円を出せるグループ   10人

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頭金1,000万円を出せるグループ  10人

-------------------

頭金を出せないグループ       10人

-------------------

…上記のような所有資金=頭金を出せる見込客が各階層毎に10人ずついたとすれば…

 

その1

物件の融資評価額が高く、全く頭金を要しない(フルローン可の)物件なら、頭金を出せないグループ(最低階層)から上にいるすべての人が見込客となりますので、40人を相手にして物件の処分、売却をすることが可能です。

 

その2

物件の融資評価額が程々で、頭金3,000万円は必要だとされる物件なら、頭金3,000万円を出せるグループのみが見込客となりますので、たった10人しか相手にできないこととなります。


不動産投資は購入→保有(経営)→売却をトータルで考える必要があり、

こういった知識の有無、売却時まで見通すことができる力を手に入れれば、

投資効果を倍加させることも可能なのです。

 

 

②投資対象や物件種別を考えましょう


皆さんが希望する投資対象はアパートやマンションの共同住宅ですか?

それとも少額から始められるワンルーム等の区分所有?


その実態は明日詳述しますが、

ワンルーム等の区分所有は実質土地が付いていませんから、

今回のお話しからすれば、建物の償却が完了した時点での価値は「ゼロ」となります。

 

また、再建築のための持ち出しが購入額100%となりますから、

再建築毎にキャッシュがごっそり消えてしまい、

なかなか手許キャッシュが増えないでしょう。

 

 

③投資する地域も考えましょう

 

手に入るのであれば、誰しも駅近の物件を購入したいですよね。
当方だってそう。これは人情と云っても良いと思います。

 

ただ、物件広告を多数見ると気づくと思いますが、
駅近の物件は相対的に土地が狭小で、高価値の建物が建っているパターンが多いことに。

 

入居率が高く、土地が大きい物件であれば、何も駅近にこだわる必要はありません。
長期を見据えるのであれば、何をメインに着眼し、投資するかを考えれば良いだけですから。

 

 

 

 

 

 

 

最後はいつも同じメッセージ。


「精神的自由」やら「経済的自由」なんて心地よい言葉に浮かれると、
デンジャラスな人生を送ることになるかも知れません。


焦りは禁物ね。
大丈夫。不動産は逃げませんから。

 

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「ビジネスに成功法則などあるはずがない。だが、これをすれば失敗するという事は伝えることができる」とメッセージを伝えてくれます。

いずれ不動産賃貸業という経営者になる皆さんに読んでみて欲しい一冊。

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