一番手 | 不動産法務コンサルタントへの道

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こんにちは。不動産法務コンサルタントの中沢です。


不動産というのは、この世に同じものが存在しない商品です。

購入を希望する人が複数いたとしても、最終的に手に入れることができるのは一人だけです。

裁判所が行う「競売」の場合であれば、最も高い金額で入札した人が買受人となるとされていますので、ある意味非常にわかりやすいルールになっています。


一般の売買の場合には、特に決まりはありません。

複数の人から購入申込(買付)があった場合、そのうちの誰に売却するかは売主の自由です。

必ずしも最高値の申込みをした人と契約を締結しなければならないわけでもありません。

価格以外の条件を考慮することもありますし、あるいは何らかの感情的な理由があって最高値を入れた人以外の人へ売却することも珍しくないです。


ところで、仲介の世界では、「一番手」ということがよくいわれます。

これは、一番早く申込みを入れた人(一番手)に交渉権があり、その後により条件の良い申込みが入った場合であっても、まずは一番手と交渉を行い、そこで交渉がまとまらなかったときにはじめて次の人との交渉を行う、というものです。

一種の商慣行であり、売主がこれに縛られる道理はないのですが、複数の仲介業者に依頼をしているケースでは、この慣行に則ったほうがトラブルが起きにくいと思います。


一方で、この「一番手」を確保することに汲々とするあまり、しっかりと調査をしないまま購入申込をしている(させている?)人が少なくないように見受けられます。

手頃な価格の投資用物件は驚くほどの速さで売れていますから、申込みのタイミングが遅いとなかなか買えないが現状であり、「一番手を確保しないと買うチャンスがなくなってしまう」というのも理解できます。


しかし、不動産投資というのは「事業」です。

コンビニでおにぎりを買ったり、牛丼屋で牛丼を注文するのとはわけが違います。

そのコンビニや牛丼屋が新規出店をする際に、現地をさっと見ただけで決めるなんてことはありえません。

不動産投資をされる方は、コンビニや牛丼チェーンを運営する会社の立場と同じなわけですから、購入申込前に入念にチェックをすべきです。


「とりあえず」購入申込をして順位を確保し、問題があればキャンセルすればよい、という考え方もあるようですが、そういうことを繰り返している客は敬遠されていきますし、そういう客付業者もまた業界の中で信用を失っていくものです。

申込の一番手もいいですが、自身の不動産投資事業において一番大事なことは何なのかということを考えたいものです。



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