こんにちは。不動産法務コンサルタントの中沢です。
前回に引き続き公拡法(公有地の拡大の推進に関する法律)についてです。
買対象となる土地に公拡法の制限がかかる場合、譲渡しようとする日の3週間前までに、土地の所在する区市町村長を経由して知事に届出をする必要があります。
(届出義務者は売主である土地所有者となります。)
そして、届出をした土地については、次に掲げる日又は通知がある時までの間は譲渡することができないと定められています。
1.買取らない旨の通知があるまで(届出・申出のあった日から3週間以内)
2.買取協議を行う旨の通知があった場合は、通知があった日から起算して3週間以内まで(届出・申出のあった日から最長6週間以内)
この届出には買主名(譲受人)の氏名を記載することになっていますが、買い取らない旨の通知のあった日の翌日から1年間は、買主が変更となっても再度の届出は必要ありません。
事前に届出を行い、かつ買い取らない旨の通知等を受領するまで売買契約を締結することはできないわけですが、買主が決まってから届出を行い、通知が来るまで契約を締結できないというのは不便です。
そこで、具体的な買主が決まる前に、都道府県知事に対して「買取の希望の申出」(公拡法第5条)をすることができることになっています。
この申出に対して買い取らない旨の通知があった場合には、当該通知のあった日の翌日から1年間は届出が不要となります。
したがって、売却活動に入る前にこの申出制度を利用することは有益だと思います。