最近、日本の製造業者で、「品質データの改ざん」、「無資格検査員による検査」などの
不正行為が長年行われていたということが、ニュースで取り上げられました。
日本のモノづくりの信用に関わる問題です。
しかし、世界的に見れば、日本の製品の品質は非常に高いことは言うまでもない事実です。
なぜ、「モノの質」 と 「仕事の質」に ギャップができてしまったのでしょうか?
これまで、日本の製造業は、「モノの品質」の維持向上には、こだわって取り組んできました。
でも、「仕事の質」の維持向上には、あまり関心がなかったのです。
本来の「クオリティマネジメント(Quality Management)」の概念は、「モノの質」だけではなく、「仕事の質」、「経営の質」までが含まれます。
しかし、かつて海外から入ってきた「クオリティマネジメント(Quality Management)」という言葉は、
日本語にする際、「品質管理」と訳されました。
このときに、「品質管理」=「モノの質の管理」 と解釈されてしまったわけです。
「品質マネジメント」と訳されればよかったのですが・・・
「Management」に適当な日本語が、「管理」しかなかったのですね。
それから、日本の製造業では、「モノの質」 は 「品質管理部門のお仕事」という位置づけになってしまい、
経営者にとっての「経営の質」、他部署にとっての「仕事の質」に関心がまわりませんでした。
この度、ニュースになった各企業の品質に関する不正は、
本来の「総合的なクオリティマネジメント(Total Quality Management)」
の方向へ、日本の製造業全体が向かっていくための、ひとつのきっかけになるような気がします。
テレビのニュースでやっていましたが、今「品質管理」「品質保証」業務の経験者の求人数が増えているとのことです。
これも、モノづくりの製造業が、少し本気になってきているという表れだと思います。