どこの企業でもあることであり、特に大企業ではもしかしたら深刻な問題になっているのではないだろうかと思うのが、役の高い人への『ちやほや』病です。

 

私個人的には、目上の人に対して

・敬意を払うこと

・忖度すること

・面子を立てること

などについて、ある程度必要であると思っていますが、

あまりに度が過ぎると、おかしくなって行くということです。

 

上下関係がある中で、特に取締役クラスになると、

下からも周りからも、いろんなもてなし、接待、高待遇を受けます。

 

そして、任期が長ければ長いほど、昨年よりも今年のほうが高待遇、

今年よりも来年のほうが高待遇となり、

『ちやほや』されることに対して、とても居心地が良くなってきます。

そして、より心地よい『ちやほや』を求めます。

 

また、下の人も周りの人も、同じく昨年よりも待遇レベルを上げなければ、

今年よりも来年は、もっと『ちやほや』を良くしなければならないと、

通常の仕事よりも役員さんへの『ちやほや』改善を優先にします。

 

下の人たちは、

「あいつよりも私の方が、あなた(自分の上の役員さん)を『ちやほや』しています」

という競争が始まり、

「役員さんへの『ちやほや』は、このようにやるんだよ」

という出世するための『ちやほや』手順の社内教育も始まります。

 

また、部門間で、どこが一番『ちやほや』をしているかという競争までもが始まります。

 

「となりの部門では、あんな『ちやほや』があったらしいよ。

うちも負けずに『ちやほや』度をあげなければ・・・」

 

といった感じです。

 

これは、親御さん祖父母が、かわいい我が子、我が孫に対して

過保護になっている状況と同じように感じます。

 

過保護が強すぎると、

過度な「自己万能感」が身についてしまいます。

 

企業の上役の人たちもそうなのですが、

『ちやほや』される期間が長ければ長いほど、

「自己万能感」が大きくなっていきます。

 

『ちやほや』病は、される人も、する周りの人たち組織をも、

衰退させます。

 

過剰なトップダウン体質になり、

ボトムアップは過剰な『ちやほや』だけとなります。

 

企業にとって、非常に怖い病気なのです。

 

これは、私自信がかつて、団体組織の長の役割を担った際、

周りから『ちやほや』され、天狗になってしまった経験があるから

なおさらに思うことなのです。

 

天狗になっている自分自身に気づいて、

「このままではヤバイ・・・」

と思い、その長を退任しましたが、

退任して肩書きがなくなったとたん、

これまで『ちやほや』してくれてた人が、

一気にそっけなくなってしまったことも経験済みです。

 

『ちやほや』の対象は、その「人」なのではなく、

「肩書き」です。

 

『ちやほや』病に侵されてしまった人たちは、

そのことをしっかりと理解しておくことが大切です。