私は本当にあきらめの悪い女である。
手指の麻痺が起こり、やがてもっと悪化するからいろいろなことはあきらめろと言われたけれど、納得できずに泣き喚くがごとく、それはもうみっともなく這い上がって来て今に至る。
今年はまた悲しいことがあった。
私の夢は二胡の楽団作りであるが、そこのメインにしようと思っていた仲間が、ある事情から去ってしまったのである。
(せめて、どこかで二胡を続けてくれていますように)
私は絶望した。 やはり楽団作りは見果てぬ夢だったのか。
しかし、生徒さんのレッスンをしていると、またその想いが頭をもたげる。
もしかしたら、まだチャンスはあるかもしれないと。
ただし強制はできない。 本人が心からやりたいと思わなければ、皆と心通わせ音を作り出す楽団なんぞ、できるわけがないからだ。
レッスンを通し、共に曲を作り上げていく楽しさを伝えることができれば…
何かが動き出すかも…
今、ある生徒さんは良宵の重奏を、ある生徒さんはカノン重奏を、またある生徒さんは人生のメリーゴーランドの重奏をレッスン中。
そして別の生徒さんは来年は二泉映月の重奏レッスンに入れるだろう。
本来三重奏の楽譜ではあるが、とりあえず二重奏でも充分いける。
私の頭の中では、これの大合奏が鳴り響いている。
あきらめの悪い女。にんにん。
見果てぬ夢に振り回されて終わるのか。 誰かにつなぐことができるのか。
二胡と言う楽器に魅了されてしまった女の人生に、ほんの少しでも光が射すことを祈るばかり…