怪談? | 徒然にんにん 二胡と歩む日々

徒然にんにん 二胡と歩む日々

会計事務所勤務。 夜と週末は二胡講師になります。相対音感育成会主宰。アンサンブル アマービレ代表。ミュージックセラピスト。


先日スイちゃんが病院の怖い話しを書いていたので、私も夏向けに怪談話しを一つ。

あれは初めてウィーンへ行った時のこと。
空港のインフォメーションで私はショックを受けていました。
失敗!よりによってオペラシーズン突入2日前に入国してしまったのです。
ホテルと言うホテルはどこも満室。
何とか団体向けホテルに一泊できることになり、私はやっと市内に入りました。
翌朝ホテル探しにに出ようとフロントへ行くと「そんなことは私達の仕事です。お客様は観光でもなさっててください」と半日のガイドつきツアーを手配してくれたのです。
格安なのに迎えに来た車を見て驚きました。黒塗りの長~いリムジン!
運転手が私を後部座席に乗せてくれました。運転手さんが遠い~(^◇^;)
そして楽しくミニ観光。
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ホテルへ戻るとフロントの方がにこやかに迎えてくれました。
ホテルを見つけたと言うのです。金額は団体向けホテルより安いものでした。
安ホテルか。ロンドンでは超格安ホテルで苦労したからウィーンでは贅沢しようと思ったのに…ても見つかっただけありがたいなと考えてる私に「案内の者がお荷物運びますので」と何ともありがたい言葉を。
なんて親切なんだ!さすがホテルマン!プロフェッショナル~!

そして案内されたホテルを見て私は驚きました。
そこはガイドブックには必ず高級ホテルとして載っている有名なところだったのです。
とても私などが泊まるようなところではありません。
しかし金額を確認しても間違っていませんでした。
映画で見るような豪華なエレベーターで最上階へ。
そこの角部屋が私の部屋のようです。
案内の方がドアを開けてくれました。
中廊下があり、右手がバスルーム。
左手が寝室。そしてなぜかつきあたりにドアが。ドアノブに手を触れようとした時に案内の方に呼ばれました。
寝室には二人のメイドさんがいま
した。年配の女性と若い女性。二人が私の担当だと言うのです。びっくり!何も頼むことないしな~( ̄◇ ̄;)
部屋にはテレビもミニバーも完備。当時中くらいのホテルでもラジオくらいだったので、それだけで私はハイテンション。
早速荷物をあけて、食事にでも行こうとベッドに腰掛けました。
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その途端、私は目に見えない何かに勢いよくベッドに押し倒されました。
身体はビクとも動きません。
真昼間に金縛り?冗談じゃないわとドアの方を見ると、透き通ったような、白っぽいような人の姿が。
それも二人。
倒れた私のそばに来ると何やら話しながら私の頬を撫でるではないですか。
よく見れば二人ともかなりのハンサムです。どちらも超私好み。
うわー!素敵ー!
もう、どうなってもいいかも(はぁと)なんて考えていると、二人が首をかしげだしました。そして何か言い争っているようです。そしてそのままドアの方へ行くではありませんか。

私は声にならない声で叫んでいました。「こらー!待てー!失礼でしょがー!」
二人の姿が消え、しばらくしてやっと身体を動かすことができました。
「たく、もう。汗でぐっしょりだわ」 涼しいウィーンで汗だくだなんて。
私はぶつぶつ言いながらバスタブ(猫足ー)にお湯をはり始め、ブラウスの洗濯にとりかかりました。
ふと気がつくとお湯の音がしません。振り返るとお風呂は空っぽ。
もう、頭にきました。見えない何者かに向って日本語で怒鳴りつけました。
ここにはとても書けない言葉で。
とにかく、またやったら承知しないと言うような内容です。

無事お風呂に入ることができ、私は先ほどの男性達を思い出していました。
服装は少し古めかしい感じでした。が、とにかくハンサムだったのは間違いない。
また出てこないかなぁ。
そこでそのホテルには五泊してねばってみました。
しかし壁の向こうから怒鳴りあうような声が聞えるばかりで姿を見ることはできませんでした。

ホテルを去る日、私はあることに気がつきました。
最初に見た廊下の突き当たりのドアノブが無いのです。そこはただの壁でした。
あの時ドアを開けていたら、私はいったい何を見たのでしょう。

あれから長い年月が流れました。
彼らはまだ若い姿で現れているのでしょうか。
いつかまたあのホテル行けたら…
今度現れたら霊道塞いで結界はって捕獲しましょう(笑)
私はまだあきらめていません…ふっふっふっ…

ちなみにそのホテルのすぐそばには王家の納骨堂がありました。

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